イベント
みかんダイアローグ Vol.6 :「微生物―不確定な時代を生きるアート―/The Silme Mold at the End of the World」
2024年8月28日(水) 20:00~21:30
オンライン
参加費無料
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アートや植物、微生物等を通して、人間と自然との関係性を深掘りするオンライントークセッション、 みかんダイアローグ第 6 弾!
紀南アートウィーク実行委員会は、9月20日から紀南アートウィーク2024「いごくたまる、またいごく」展を開催します。本展開催に先立ち、紀南アートウィーク2024に出展アーティストであり、田辺在住のアーティストである杵村直子さん、気候変動や植民地主義の問題を粘菌/微生物等を中心として世界を捉え直す実践を行っている環境アクティビストである酒井功雄さんをお招きして、トーク・セッションを開催します。
粘菌を含む「微生物」は、近年、生物学や衛生学等の科学分野に加えて、人類学、政治学や哲学の分野でも注目を集めています。その理由は、粘菌や微生物が、文化、社会、政治や科学の領域を揺り動かし、ときに離脱し、それらの領域を横断しながら、新しい「自然」や「社会」の概念を生み出す可能性をもっているからといわれています。その潮流は「微生物的転回」と呼ばれていたりしています。ちなみに、紀南の偉人・南方熊楠は、1980年代後半には「微生物的転回」の本質について言及しており、熊楠の彗眼に驚かされるばかりです。
酒井さんは、このような潮流の中で生まれた注目すべき若手研究者の一人ともいえます。その微生物と人文学を巡る研究と実践の詳細についてご紹介を頂き、粘菌や微生物が、どのように実際の社会に影響を与えうるのか、また不確定な現代を生きるための術(アート)を考える上で、微生物の重要性についてどのように考えたらいいのか、といった議論を投げかけて頂きたいと思います。
また、杵村さんは、世界的な人類学者アナ・チンの主著『マツタケ―不確定な時代を生きる術』の表紙を描いています。アートを通じて、粘菌、熊楠や熊野の思想と現代人文学の「知」を繋げ合わせてくれる可能性を導いてくれたように思います。そして、紀南アートウィーク2024では、今回のコンセプトを踏まえて、どのような新作や問いを生み出してくれるのでしょうか?その制作背景や内容に迫りながら、微生物性を巡るアートが、現代社会にとってどのような意義を持ちうるのか、ゲストの皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
【トーク概要】
日 程:2024年8月28日(水)
時 間:20:00~21:30
料 金:無料
会 場:オンライン
スピーカー:杵村直子、酒井功雄
モデレーター:下田学、藪本雄登
主 催:紀南アートウィーク実行委員会
連絡先:info@kinan-art.jp
申 込:https://mikandialoguevol6.peatix.com
【スピーカーのご紹介】
ゲスト・スピーカー:杵村 直子(きねむら なおこ)
1975年、和歌山県田辺市生まれ。武蔵野美術大学卒業。画家。平面における空間性を探究している。世界各地で風景をその場で描き上げる「絵描ノ旅」シリーズを飛行機機内誌に連載。365日、日常を描きオンラインに公開する「日々絵」シリーズからAnna Tsingの著書「The Mushroom at the End of the World」表紙絵に採用(プリンストン大学出版局より)。そのほか、海と空をその場で描きあげるシリーズなど、具象と抽象のはざまを描いている。また、子どもたちの創造の可能性を研究し、子どもが生み出すアートピースとの合作も試みる。主な展示と作品に、2012年「内側とかたち」(個展・東京銀座)、2024「春を想う」(グループ展・東京銀座)田辺聖公会マリア礼拝堂 壁画など。
ゲストスピーカー:酒井 功雄(さかい いさお)
東京都出身。気候変動を文化的・思想的なアプローチで解決するために、「植民地主義の歴史」と微生物を中心に世界を捉えなおす思索を行なっているアクティビスト。日本・東アジアで脱植民地主義を考えるZINE「Decolonize Futures—複数形の未来を脱植民地化する」エディター。2019年2月から学生たちの気候ストライキ、”Fridays For Future Tokyo”に関わり、2021年にはグラスゴーで開催されたCOP26に参加。現在米国インディアナ州のEarlham Collegeで平和学を専攻。2021年Forbes Japan 30 Under 30選出。