KINAN ART WEEK

  • アナルコ・アニミズム -まつろわぬ生命-

    アナルコ・アニミズム -まつろわぬ生命-

    この度、紀南アートウィーク実行委員会は、和歌山県南紀白浜駅前の真珠ビル/ノンクロンにおいて、「アナルコ・アニミズム」展を開催します。アジアのアーティストやキュレーターらの専門家ネットワーク、プロダクション・ゾミアのキュレーションによる本展は、「アウラ現代藝術振興財団」のコレクションから、自然と人間の関係性をめぐって作品制作を続ける東南アジア出身の5組のアーティストを紹介します。この展覧会は、宮城県石巻市で開催されたリボーンアート・フェスティバル2021-2022のために企画さ

  • 共同体、共異体、みかんコレクティヴ(中編)-光州ビエンナーレを巡って- 

    共同体、共異体、みかんコレクティヴ(中編)-光州ビエンナーレを巡って- 

    紀南アートウィーク 藪本 雄登4先住民族の思想と共異体前編の「他者とは誰か」を踏まえて、メイン会場の3つ目のテーマである「祖先の声(Ancestral Voices)」について述べたい。そのステートメントを要約すると、光州の歴史的アイデンティティを継承し、世界各地の先住民の声に耳を傾け、地域の伝統を再解釈し、ローカリティに根ざした共同体的な実践を紹介する。そして、西洋的な近代性に対峙し、オルタナティブな「知」の想像力を喚起する、ということだ。(1)アイヌ/祖先=わたし?このテ

  • 共同体、共異体、みかんコレクティヴ(前編)-光州ビエンナーレを巡って-

    共同体、共異体、みかんコレクティヴ(前編)-光州ビエンナーレを巡って-

    紀南アートウィーク 藪本 雄登1はじめに(1)弾力性/応戦力ある果実真の芸術は、躍動する現実の具体的な反映態として結実し、矛盾に満ちた現実の挑戦を受けてそれと対決する弾力性のある応戦力によってのみ、収穫される果実である。現実同人第一宣言金芝河これは、韓国の「抵抗の詩人」として知られる金芝河(キム・ジハ、1941-2022)の言葉である。韓国の近現代美術は、政治的な抑圧を抜きには語れない[古川2018:2]。軍事勢力による市民虐殺の惨劇の場となった「光州民衆抗争(以下、「光州事

  • 唐澤太輔氏による特別トーク‐『太陽の塔』上映会を終えて‐テキストアーカイブ

    唐澤太輔氏による特別トーク‐『太陽の塔』上映会を終えて‐テキストアーカイブ

    ふたかわ超学校×紀南アートウィークによる共同開催イベント2022年10月14日(金) 、みかんマンダラ展会期中に開催した特別トークショー「太陽の塔 上映会を終えて‐」のテキストアーカイブです。日時2022年10月14日(金)会場tanabe en+(タナベエンプラス)〒646-0031 和歌山県田辺市湊41-1定員25名イベント詳細:https://kinan-art.jp/info/9660/ゲストスピーカー唐澤太輔秋田公立美術大学美術学部アーツ&ルーツ専攻ならびに

  • 廣瀬智央 みかんの苗木の旅

    廣瀬智央 みかんの苗木の旅

    HIROSE Satoshi: A Journey of Citrus Sapling(Photo:Satoshi Hirose)「コモンズ農園」プロジェクトは、紀南アートウイークのプロジェクト「みかんコレクティヴ」のひとつであり、長い期間を通して行われるアートプロジェクトとして2022年に始動しました。「みかんコレクティヴ」は、地域の特産物でもあるみかんなどの柑橘類に注目し、農産物として「みかん」を捉えるのではなく、「みかん」を通しての農業、歴史、食、まちづくり、景観、教育

  • KINAN ART WEEK 2022「みかんマンダラ」 を振り返る

    KINAN ART WEEK 2022「みかんマンダラ」 を振り返る

    植物や微生物たちと人類のむすびつきを探る展覧会からアートプロジェクトへ私たちは和歌山県紀南地方の地域資源である柑橘をテーマとしたアートプロジェクト「みかんコレクティヴ」を実施しています。これは、蜜柑について考え、協働する機会を、農家、アーティスト、デザイナー、キュレーター、研究者たちとつくる活動です。その活動が母体となり、2022年は10月6日(木)〜10月16日(日)の11日間にわたり、和歌山県田辺市内の複数箇所で「みかんマンダラ」展の作品展示及び関連イベントが開催されまし

  • 「コモンズ農園」の歴史的文脈を語る(後編)

    「コモンズ農園」の歴史的文脈を語る(後編)

    前編はこちら>>住友:「アルテ・アビタビーレ」の話で思い出されるのは、廣瀬さんが「コモンズ農園」と同じように土地と関わるプロジェクトを、じつは1996年に札幌で《生きられた土地》というタイトルで実施していたことです。これはバブル景気がはじけた後、空き地となって放置されていた土地に簡易な舞台を設置し、パフォーマンスやワークショップをおこなうものでした。カフェもあり、話し合いの場も持たれたようですし、テントが並び、そこで寝泊まりもできました。また、同時に開催されたギャラリーの展示