コラム

  • 熊野とゾミア     -アピチャッポン・ウィーラセタクンの表現を起点に-

    熊野とゾミア -アピチャッポン・ウィーラセタクンの表現を起点に-

    紀南アートウィーク 藪本 雄登1はじめに−アピチャッポンは、現代のシャーマンか−―わたしは、タイ東北部にあるコーンケンという町の出身ということもあって、タイのなかで自分自身が “少数民族” みたいな気持ちで生きてきました。それは現代になっても変わらないのです。タイでは統治機構も権力もみなバンコクに集中していて、また自分がゲイということもあり、自分が中央に対して“辺境に位置している人間”だという認識を持ってきました[1]―――アピチャッポン・ウィーラセタクン『アピチャッポン、全

  • 対談#39 つながる世界の物語 ~はしっこから見えること~

    対談#39 つながる世界の物語 ~はしっこから見えること~

    紀南アートウィーク対談企画 #38出典:和歌山県 企画部 地域振興局 移住定住推進課わかやまLIFE〈今回のゲスト〉芸術家田並劇場オーナー夫妻林憲昭(はやしのりあき)さん茎子(けいこ)さん和歌山県串本町の田並で、崩壊寸前の廃墟だった建物を、自分たちで4年間かけて再生し、2018年の夏に「田並劇場」として復活させたアーティストご夫妻。お2人は東京を拠点に世界各地で芸術活動をされていたが、子どもが生まれたことをきっかけに「土の上で子育てがしたい」と移住を決意。自然のなかに身を置く

  • 対談#38「松煙墨」が彩る未来 – 墨業界の現状と課題 –

    対談#38「松煙墨」が彩る未来 – 墨業界の現状と課題 –

    〈今回のゲスト〉墨工房紀州松煙代表堀池 雅夫(ほりいけ まさお)さん静岡県出身。日本で唯一、墨の原料となる「松煙」を作っている墨職人。35歳のときに紀南に移住して松煙づくりを始め、後に「松煙墨」の製造・販売を行う。現在は田辺市鮎川・大塔地域に工房を構え、たった1人で墨と向き合う日々を送っている。また、墨絵画家として自分の作品を制作しており、その墨絵をオンラインショップで販売中。現在、自身の後継者がいないこともあり、紀州松煙だけではなく墨業界の衰退を危惧している。墨工房紀州松煙

  • みかん民主主義 -コレクティヴって何?-

    みかん民主主義 -コレクティヴって何?-

    1みかんは、コレクティヴか現代のアート実践では、美術史家クレア・ビショップが述べる「社会的転回(social turn)」が一定の影響力を保持し続けている。社会的転回とは、現代アートの実践において、「美的」価値から「社会的」価値への移行が進んでいる状態を意味する[1]。つまり、作品の態様や新規性より、社会や政治に対する現実的な貢献や影響を重視する潮流のことである。和歌山県紀南地域のコミュニティも、その他の地域同様、市町村合併、過疎化、インターネット社会の進展等の複合的な要因に

  • 対談#37 漁業の維持を目指して

    対談#37 漁業の維持を目指して

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #37〈今回のゲスト〉株式会社土佐丸取締役船団長田ノ岡 誉将(たのおか )さん田辺市江川地域に本拠地を構え、船団長として6隻の船団を率いる漁師。水中灯で魚を誘き寄せて網で取り囲む「巻き網漁業」に専従しており、主にアジ、サバ、イワシを水揚げしている。「見つけた魚は絶対に獲る」という強い意志を持つ。担い手不足や漁獲量の減少に苦しむ漁業の現状に警鐘を鳴らし、漁業を未来に残していくために尽力している。株式会社土佐丸田辺市役所企画部たなべ営業室室長熊野 雅

  • 対談#36 伝統を守り、未来へ繋ぐ – 林業と農業のあり方 –

    対談#36 伝統を守り、未来へ繋ぐ – 林業と農業のあり方 –

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #36〈今回のゲスト〉有限会社龍神自然食品センター代表取締役エムトゥーアール株式会社代表取締役寒川 善夫(そうがわ よしお)さん田辺市龍神地域にて林業と農業を営む、木こり兼農家。山林の管理から伐採した木々の製品化まで、自社で全て実践している。目標は「今ある山林を未来に残すこと」であり、その思いは家業を継いだ頃からずっと変わらない。また、梅やシソなどを自家栽培し、梅干しや梅酒などの梅製品を製造している。「本物の梅干しを作りたい」という信念があり、原

  • 対談#35 農家はアーティスト!?若手ミカン農家のリアルな本音~

    対談#35 農家はアーティスト!?若手ミカン農家のリアルな本音~

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #35〈今回のゲスト〉松下農園松下真之さん高校卒業後、大阪・和歌山の地元スーパー「松源」に入社し、日常の業務を行いながら社会人野球のチームで活躍。そのあと、和歌山県田辺市の上芳養にある実家、松下農園で家業を手伝っている。農園の経営をされている父親と二人三脚で、みかんや梅の畑作業を勤しんでいる若手農家。〈聞き手〉藪本 雄登紀南アートウィーク実行委員長〈参加者〉杉 眞里子紀南アートウィーク副実行委員長農家はアーティスト!?若手ミカン農家のリアルな本音

  • 【アーカイブ動画】トークイベント「美しい!美味しい!面白い!そして怖い?異世界へと誘う、古書の魅力」

    【アーカイブ動画】トークイベント「美しい!美味しい!面白い!そして怖い?異世界へと誘う、古書の魅力」

    https://youtu.be/BFvE7M2BoaU紀南アートウィーク、スピンオフ企画!2021年の芸術祭開催時に、「紀南アート”ブック”ウィーク」というアート関連本の合同企画を行っていただいた、南紀白浜の小さな書店『ivory books』さんと、古書にまつわるトークイベントを開催いたしました!紀南アートウィーク2021の開催中に出会い、意気投合した ivory books の店主・中村さんと、紀南アートウィーク芸術監督の宮津教授。 時に美しく、美味しく、面白く、そして

  • なぜ「紀南アートウィーク -ひらく紀南 籠もる牟婁- 」か

    なぜ「紀南アートウィーク -ひらく紀南 籠もる牟婁- 」か

    私は、和歌山県南紀白浜出身であり、約15年前に南紀白浜から飛び出し、カンボジアで事業を始めました。現在、世界各地で法律事務所を展開していますが、ときに喜び・ときに苦しみながら多くの企業の支援をさせて頂いております。その過程で「グローバリティ」と「ローカリティ」とは何か、その関係はどうあるべきだろうか、と悩むことが多くありました。「全世界で通用する新しい価値を生み出さなければ生き残れない」という強い危機感から、全く異なる場所に楔を打とうと、法律の世界からアートの世界に飛び込んで

  • 『紀南ケミストリー・セッション vol.4』 テキストアーカイブ(後編)

    『紀南ケミストリー・セッション vol.4』 テキストアーカイブ(後編)

    2021年10月21日に開催したオンラインのトークセッション『紀南ケミストリー・セッション vol.4』のテキストアーカイブ後編となります。※テキストアーカイブの前編はコチラhttps://kinan-art.jp/info/5811/※動画のアーカイブはコチラhttps://www.youtube.com/watch?v=HA21bqDp3HI&t=1181s発酵がもたらす豊かな世界 – 食から考える“美”とは –(後編)【4】発酵と分解の関係性宮津:少しお話の方向

  • 『紀南ケミストリー・セッション vol.4』 テキストアーカイブ(前編)

    『紀南ケミストリー・セッション vol.4』 テキストアーカイブ(前編)

    2021年10月21日(木)に開催したオンラインのトークセッション『紀南ケミストリー・セッション vol.4』を文字起こしした、テキストアーカイブの前編です。※動画のアーカイブはコチラ https://www.youtube.com/watch?v=HA21bqDp3HI&t=1181sタイトル:『発酵がもたらす豊かな世界 – 食から考える“美”とは – 』日時:2021年10月21日(木)19:00~20:30会場:オンライン(ZOOMウェビナー)参加費:無料登壇者

  • 対談#34 地域の未来をつむぐ ~アートと学び~

    対談#34 地域の未来をつむぐ ~アートと学び~

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #34<ゲスト>株式会社KCR 代表取締本田景士さん和歌山県串本町出身。トルコ風カフェレストラン「紬カフェ」(白浜町)、Book&TurkishBazaar「タイヨウのカフェ」(串本町)を経営。 トルコ商品の卸小売業、土産物開発・販売業、トルコとの商品輸出入、トルコ進出・輸出入支援、などを行う。和歌山トルコ文化協会理事長として、トルコとの関係を未来に繋ぐ活動を続けている。<聞き手>藪本 雄登紀南アートウィーク実行委員長<参加者>杉 眞里子