山内 光枝
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山内 光枝

2010年頃に裸の海女が佇む一枚の古い写真と出逢い、それまで抱いていた日本人像や人間像が溶解していくような衝撃を受ける。その後現在にいたるまで、主に黒潮・対馬暖流域の浦々で滞在を重ねながら、海を基点とした人間や世界のあらわれを母胎に、表現活動を続けている。2013年済州ハンスプル海女学校(韓国・済州島)を卒業し、素潜り水中撮影を体得。2015年よりミンダナオ沿岸(フィリピン)を中心に滞在制作を行い、フィールドを海洋アジアへと広げる。近年の活動の原点である玄界灘を舞台に制作した長編『つれ潮』が、東京ドキュメンタリー映画祭2019にて奨励賞を受賞。2020年より日本統治下の“フザン”に暮らした家族史に向きあい始め、海峡の渡り方、内なる境界の捉え方を模索している。

  • 《カブグァス(Kabugwas)》2016年

    《カブグァス(Kabugwas)》2016年

    海に生きる人々の生活現場に身を置き、そこを起点に立ち現れる世界観を作品化する山内光枝。タイトルであるカブグァスとは、航海で方角を知る時に目印となる星を意味するビサヤ語(主にフィリピン中南部で使用されている言語)です。済州島の海女学校で体得した素潜り技術により撮影された本作は、あらゆるものを巻き込みながら流動する宇宙のようであり、また、私たちの内に潜む母なる海の存在を喚起させるようでもあります。

    田辺駅前商店街

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    田辺駅前商店街

    田辺駅前商店街は、源平合戦の命運を分けた世界遺産・鬪雞神社や熊野古道へと向かう宿場町である田辺市街地の玄関口として、地域内外の人々に愛されながら発展してきました。昨年の景観整備事業によって電柱がなくなり、アーケードはシェード(小型の屋根)に変身。そのイメージを、一新させました。夜間は間接照明を活かした光の演出で、私たちの眼を楽しませてくれます。

    • G-1
      展示場所 / ギャラリー駅前
      《カブグァス(Kabugwas)》2016年 山内 光枝