イベント

岡野 晃子 × 廣瀬 智央 x 紀南アートウィーク

『手でふれてみる世界』上映会 +トークセッション+ ワークショップ

10月19日(木)18:30~21:00

tanabe en+

〒646-0031 和歌山県田辺市湊41-1

定員15

参加費映画鑑賞のみ 1,000 円/ 回、WS +トーク 2,000円、映画鑑賞+WS+トーク 3,000円

申込

Peatixよりお申し込み下さい

『手でふれてみる世界』上映会

映画について
イタリア・マルケ州アンコーナに暮らす、視覚に障害を持つアルド・グラッシーニと妻のダニエラ・ボッテゴニ。芸術を愛し、80カ国以上を旅して、それぞれの文化が生み出してきたもの、自然や生きものに手で触れながら世界と出会ってきた。しかしながら、どの国を訪れても、美術館で作品を鑑賞することだけは困難だった。美術作品を後世に残すため収集、保存、公開する美術館と呼ばれる場所では、ガラスケースや柵越しに作品を見ることに重きをおいた、「視覚優位」の活動が行われているからだ。ならば自分たちで、見える人も見えない人も、ともに美術作品に手で触れて鑑賞できる美術館をつくろうと、夫妻は自ら行動し、「オメロ触覚美術館」を創設する。1993年にマルケ州の支援によって開館したこの美術館は、1999年にはイタリア議会の承認を受け国立の美術館となり、子どもから大人まで、視覚に障害がある人もない人も訪れる、すべての人に開かれた美術館となった。そこで働く人、訪れる人、かかわる人々は、「美術館とは何か」を静かに語りかけてくる。

日本で長年に渡り美術館運営に携わってきた監督は、オメロ触覚美術館の存在、その活動に心動かされ、この世界の断片を多くの人に伝えたいという思いからカメラを手に取った。「手でふれてみる世界」をテーマに、触れることが困難なコロナ禍の下でイタリアへ通い、見えてきたものとは。(https://le-mani.com/)

『手でふれてみる世界』
2022年製作/60分/日本
配給:ポレポレタイムス社
監督:岡野晃子

トークセッション「『手でふれてみる世界』が生まれる背景にある、イタリア文化と暮らしについて」

岡野 晃子 氏 × 廣瀬 智央 氏
監督とかねてから交流があり、イタリア在住歴も長い現代アーティストの廣瀬氏を迎え、イタリアの文化や暮らしから見えてくる映画の背景について語り合います。

岡野晃子(写真・左)
1973年生まれ。バンク・ストリート教育大学博物館教育研究科修士課程修了、
コロンビア大学大学院美術及び美術教育研究科修士課程修了。
ヴァンジ彫刻庭園美術館にて「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」、
「すべてのひとに石がひつよう 目と、手でふれる世界」(日本展示学会賞受賞)
など企画。視覚にとどまらない感覚による美術館教育の可能性を研究。
その一環として、ドキュメンタリー映画「手でふれてみる世界」を制作。

廣瀬 智央 (写真・右)
1963年 東京都生まれ。ミラノを拠点に活動。日常の体験や事物をもとに、世界の知覚を刷新する表現をつくりだしている。 紀南アートウィーク2022 出展作家。

ワークショップ「手でふれてみる美術鑑賞会」

「触察」とは、彫刻に手で触れて美術鑑賞する、視覚以外の感覚を使って作品と対話する方法です。映画『手でふれてみる世界』の舞台である国立オメロ触覚美術館(イタリア)は、視覚に障害のある夫妻によって設立され、長年に渡り触覚に重きを置いた美術鑑賞を研究してきました。その手法は、ミュージアムの包括性やコミュニティへの参加を求める。ICOM(国際博物館会議)新定義の発足とともに、日本の美術館においても関心が高まっています。本ワークショップでは、さまざまな感覚を研ぎ澄まし鑑賞することで、豊かな世界に触れていただけること願います。

参加人数 15名
所要時間 約1時間
講師:岡野 晃子 氏

当日の写真