イベント
下津きょうだいみかん山 x 廣瀬智央
みかんダイアローグ Vol.7 『コモンズ農園の未来構想図 -省農薬農業の取り組みから学ぶ-』
2024年9月 10日(火)19:00 ~ 20:15
Online
参加費無料
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芸術、文化を通して「柑橘」について深掘りするオンライントークセッション、 みかんダイアローグ第 7 弾!
今回は、「コモンズ農園の未来構想図」をテーマに、和歌山県で柑橘を栽培されている下津きょうだいみかん山の園主、大柿肇 (おおがきはじめ)さんをお招きして、農薬中毒に起因する17歳の松本悟 (まつもと さとる)さんの死をきっかけに省農薬栽培を始めるようになった経緯や、京都大学農薬ゼミと協力して行っている取り組みなどについてお話しいただきます。また聞き手には、「公園のような農園」を目指して紀南で「コモンズ農園」プロジェクトを実施しているイタリア在住のアーティスト、廣瀬智央氏を迎え、アートの視点を通じてあらためて私たちが目指すべきコモンズ農園について一緒に考えます。
*省農薬とは
省農薬とは、無農薬、有機栽培を目的とせず、生産者、消費者双方にとって安全安心な栽培方法をその時々の状況(天候や樹)によって臨機応変に対応し、国の決めた基準などに沿ったものではなく、努力で減らせるだけ減らして栽培を行うマインドのことを指す。 1968年、和歌山県海草郡下津町大窪(現海南市)で一人の高校生が農薬(フッ素系殺虫剤)を散布した後に死亡した事件を経て、両親とその弟が農薬を減じたミカン栽培を始めることとなる。農薬使用が全盛だった高度成長期の70年代から最小限の殺菌剤、マシン油、害虫ヤノネカイガラムシに対する天敵ヤノネツヤコバチを用いて害虫対策等を行い、出来るだけ安価な値段で消費者の食卓へ届ける試みを行っている。
参考:https://eco.kyoto-u.ac.jp/?p=521
参考:http://shukusho.org/data/16-1ab.pdf
*コモンズ農園とは
2022年より開始した廣瀬智央の長期アートプロジェクト。農園では収穫されたみかんや、その栽培プロセスをアートの視点から捉えなおした農業を実践し、様々な体験、立場や異なる職業の人々との出会いや交流を通して、創造的な価値に触れることのできる空間をつくります。誰もが自由に出入りでき、これまでにない「公園のような農園」を創造すべく現在紀南エリアにて耕作放棄地 (または遊休農地)を募集中。また、このプロジェクトの一環として、園地が見つかるまでの間、柑橘の苗木を育てていただく苗木の里親プロジェクト「苗木の旅」と、同氏から不定期で発信されるニュースレター「みかんの苗木の旅通信」がある。
概要
■日 程:2024年9月 10日(火)
■時 間:19:00 ~ 20:15(75分)
■会 場:オンライン
■スピーカー:大柿肇氏(下津きょうだいみかん山)、廣瀬智央氏(アーティスト)
スピーカーのご紹介
大柿肇 / Hajime Ogaki(下津きょうだいみかん山)
下津きょうだいみかん山の第三代目園主。長年勤めたアパレル業界を退職後、趣味のロードバイク仲間から紹介を受け、2018年に園主として就任。下津きょうだいみかん山は、1968年に農薬中毒で亡くなった17歳の高校生の死をきっかけに、京都大学農薬ゼミとともに農薬を出来るだけ使わない省農薬ミカンを栽培している。
下津きょうだいみかん山 HP: https://www.sk-mikanyama.com/ourfarm
Mandarin Field HP: https://www.foun-p.com/about.html#sec04
廣瀬智央 / Satoshi Hirose(アーティスト)
1963年東京生まれ。現在ミラノ在住。イタリアを拠点に、日本、アジア、ヨーロッパなど世界各地の多数の展覧会に参加。廣瀬智央は、インスタレーション、環境への介入、パフォ−マンス、彫刻、写真、ドローイング、そしてより大きな意味でのプロジェクトなどのメディウムを使い、詩的な作品を創り出す現代美術家です。境界を越えて異質な文化や事物を結びつける脱領域的な想像力が創造の原理となっており、目に見えない概念を目に見えるものへと転換する試みが、廣瀬の作品に一貫してみられます。日常の体験や事物をもとに、新しい価値の創出や世界の知覚を刷新する表現をつくりだしています。19年間継続する母子生活支援施設の母子たちとの長期プロジェクトや、展覧会で使用した素材を地域の人々と協働し、循環させるアートプロジェクトにも近年取り組んでいます。