紀南アート・レジデンス vol.5 開催

紀南アートウィークでは、2023年の紀南アート・レジデンス Vol.1、2024年の紀南アート・レジデンスVol.2紀南アート・レジデンス Vol.3、2025年の紀南アート・レジデンスVol.4に引き続き紀南アート・レジデンスVol.5を開催いたしました。

国内外からアーティストを招聘し、紀南地域に滞在してもらう中で、地域の様々な文化や歴史などについてのリサーチを行い、そこから触発された作品制作やアート・プロジェクト等を展開するプログラムです。毎年1名−2名程度のアーティストの募集を行っていきます。

今回レジデンスを行ったのは、小豆島にあるtermites studioより、油絵アーティスト牧山雄平氏と小豆島で農家を営むいろは農場代表土居悠太氏が来訪いたしました。

小豆島にあるtermites studioは、アーティストのジェームズ・ジャック越後正志を中心に、小豆島における創造的コミュニティの可能性を模索している団体です。今回、紀南アートウィークの取り組みに関心を持っていただき、和歌山県田辺市内、白浜町、串本町において4日間のリサーチを実施しました。

今回、紀南にいながら、彼らとの対話を通して小豆島の魅力に触れました。島特有の隣人との緊張関係と強固な結束力、それらを含む温度感_これらは、核家族化が進んだ現代で失われつつある隣人との関係性を問うものではないでしょうか。もはや世界規模で見たとき、日本も島国であるという視点で捉えると、海に囲まれた環境の中で、共同体として生き残るために助け合い、協力する文化が根付いていると考えると何か工夫次第で繋がりの関係性に打撃を与えられるのではと心が高鳴りました。まずは、彼らが輝かしい表情で話す小豆島へ足を踏み入れ、島のコミュニティを体験することから始めようと思います。

リサーチにおいて、彼らと暮らしや活動を共有し分かち合うことで、紀南の美しさと価値を再確認しました。何か伝えなければ、教えなければ、知ってもらわなければと力んでいたのですが、「好きなものを共有し、受容する」そんなシンプルなことで良いんだと教わりました。

また、紀南地域の特色や自然の摂理について、田並劇場 林ご夫妻はじめわかやましらはま農家 遠藤賢嗣氏にお話いただきました。貴重な体験談をお聞かせいただいたことで、今回の滞在がより奥深いものとなりました。この場をおかりして、心より御礼申し上げます。

小豆島へ訪れた際は、termites studioへ足を運んでみてください。
島の魅力をさらに感じられることでしょう。

<レジデンス概要>

期間:2025年3月7日から3月10日
滞在:トーワ荘(和歌山県田辺市街地)

<滞在の様子>