コラム

    紀南アートウィーク2025-26「ややこしき いざなみ」

    2025年から26年にかけて行う紀南アートウィークでは、「自らの身体を動かすこと」そして「関心のおもむくままに訪ねること」を手がかりに、土地と人との繋がりを見つめ直します。

    日本神話に登場するイザナミは、すべての始まりを担うカミとして、熊野の地で祀られてきました。
    私たちはこれを一つの“原点”として立ち還り、地元の人々、アーティスト、研究者とともに歩き、記録し、再び“見直す”行為を通して、熊野の地で新たな問いを紡ぎ出そうとしています。

    それは自らの身体を媒介とし、「これまで見えなかった景色」や「聞こえなかった土地の声」に寄り添っていきたいと願う、長い旅のはじまりでもあります。

    私たちは熊野の山々を歩き、地域の神事や祭礼に参加し、土地の記憶に触れていきます。
    さらに、南方熊楠と柳田國男の思想的な交差をたどるため、熊野から遠野へと足を伸ばし、フィールドワークを通じて異なる土地に潜む共通の問いを探ります。

    こうした実践のなかで、参加者は映像、ドローイング、音、言葉、ワークショップなど、それぞれの方法でリサーチを行い、その成果を作品・記録・対話として共有していきます。

    【今後の予定】

    ■2025年10月18日(土)
     地域を識る — ツアー『田辺のテリトーリオを巡る』
     地域を識る — トークと座談会『田辺の文化的景観』

    https://kinan-art.jp/info/21166/

    ■2025年10月23日(木)
     遠野巡灯篭木’25「遠野畏景探訪」に参加


    ■2026年
     熊野を巡るリサーチツアー 企画中

    ※企画やイベントは、適宜HP上にアップデートして参ります。

    この企画では、リサーチそのものをアートの実践と捉えます。

    「動く」「記録する」「問い直す」ことを通じて、地域との新しい関係性を紡いでいきます。

    「ややこしき いざなみ」とは、一筋縄ではいかない、絡まり合った土地と人々の記憶、そしてそこに入り込む多様なまなざしを意味します。
    この複雑さに敬意を払いながら、土地と共に未来への問いを編んでいきたい。それが私たちの試みです。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    主催:紀南アートウィーク実行委員会
    お問合せ:info@kinan-art.jp
    助成:公益財団法人 福武財団