コラム
【アーティスト紹介 Vol.13】 前田耕平
前田耕平×高山寺のケミストリー
<積層する祈りが誘う、深遠な異界>
-縄文から、聖徳太子、弘法大師そして山の精霊まで、あらゆる祈りが積層する古刹が誘う深遠な異界への扉-
和歌山県・田辺市出身の前田耕平は、人や自然、事象との関係性について、自身の体験を手がかりに作品化しています。展示場所となる古刹で発見された「高山寺式土器」に着想を得て、本作は制作されました。それは、精霊から神々、そして仏のすまう山が有する祈りや時間、そして智慧の積層を可視化しているといえるでしょう。
<前田耕平について>
1991年和歌山県生まれ。2014年パリ国立美術学校エコール・デ・ボザール交換留学。2015年大手前大学メディア芸術学部芸術学科卒業。2017年京都市立芸術大学大学院美術研究科構想設計専攻修了。人や自然、物事との関係や距離に興味を向け、様々なアプローチで探求の旅を続けている。自身の行為と体験を手がかりに、国内外で映像やパフォーマンスなどの作品発表を行う。プロジェクトに南方熊楠の哲学思想を追った「まんだらぼ」などがある。現在、大阪の元造船所跡地のシェアスタジオ「SSK(Super Studio Kitakagaya)」を拠点に活動。主な展覧会に「つながりの方程式」京都芸術センター、個展「パンガシアノドン ギガス」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、個展「イトム」Gallery PARCなどがある。六甲ミーツアート芸術散歩2019 神戸市長賞受賞。https://koheimaeda.com/
作品展示会場
高山寺
高山寺は弘法大師・空海が開創したとされており、江戸時代建立の多宝塔をはじめとする、諸堂宇が立ち並んでいます。海を一望する墓地には、知の巨人と称される南方熊楠や合気道の開祖・植芝盛平が眠っています。また、境内の貝塚からは、押型紋(ルビ:おしがたもん)や撚糸文(ルビ:よりいともん)が施された「高山寺式土器」など多くの考古資料が発掘されています。
営業時間:10:00-16:30
入場料:なし
定休日:なし
住所:〒646-0051 和歌山県田辺市稲成町392