紀南アート・レジデンス vol.2 開催

紀南アートウィークでは、2023年の紀南アート・レジデンス Vol.1に引き続き紀南アートレジデンス Vol.2を開催します。国内外からアーティストを招聘し、紀南地域に滞在してもらう中で、地域の様々な文化や歴史などについてのリサーチを行い、そこから触発された作品制作やアート・プロジェクト等を展開するプログラム。毎年1名−2名程度のアーティストの募集を行う予定です。

本年度は、オランダ出身の現代アーティストのヘアート・ムル(Geert Mul)を招聘します。

ヘアートは、オランダを代表するメディア・アートの先駆者であり、自然とテクノロジーの関係を思考し続けています。今回ヘアートは、紀南地域を代表する博学者・南方熊楠に関心を持ち、オランダ政府の助成を得た上で、南方熊楠について和歌山県田辺市内、中辺路町において2ヶ月間のリサーチを実施し、2025年以降に新作発表を紀南地域において行う予定となっています。

(中略)南方熊楠のアプローチに倣い、私は直感、主観的知覚、精神性が自然科学とシームレスに絡み合う手法を観察している。彼の方法論を掘り下げることで、主観的なデータと直感が、AIのようなデータドリブンな媒体とどのように調和できるのかについての洞察が得られると信じている。”  

Geert Mul(ステイトメント「Beyond the Average」より)

また、Geertは南方熊楠のリサーチをオランダで行うにあたり、インターネット上で様々な情報を検索する中で、紀南アートウィークが2021年に唐澤太輔氏をゲストに実施したトークセッション「籠もる と ひらく ―知の巨人・南方熊楠と現代アート― 」のアーカイブ記事に出会い、本稿からの引用も行いながらオランダ政府の助成を取得されており、そういった出会いから今回の滞在が実現した。

なお、本年度は日本からもアーティストを1名−2名を追加で受け入れる予定になっており、こちらは後日発表をする予定です。

<レジデンス概要>

期間:7月18日から9月15日(予定)
滞在:トーワ荘(和歌山県田辺市街地)、霧の郷たかはら(和歌山県田辺市中辺路町)

<レジデンス・アーティスト>

@Geert Mul

Geert Mul(ヘアート・ムル)
1965年生まれ、オランダ・ロッテルダム在住

ヘアートは、デジタル・アートのパイオニアであり、25年以上に渡り、自然とテクノロジーを巡る探求を行ってきた。版画、映像、映像技術を活用したインスタレーションなど、幅広いメディアで実験的な作品を発表してきている。インスタレーションを通じた自然、人間、テクノロジーと知覚の相互関係は、ヘアートの作品の重要な主題である。

ヘアートの作品は、公共的な場所、美術館、フェスティバルなど、様々な場所で展示されている。美術館でいえば、クレラー・ミュラー美術館(オランダ)、ロッテルダム・ベーニンゲン美術館(オランダ)、アムステルダム・ステデライク美術館(オランダ)、京都国立近代美術館(日本)、マドリッド国立レイナ・ソフィア美術館(スペイン)、バレンシア近代美術館、カルティエ現代美術館(フランス)、シカゴ現代美術館(アメリカ)などで展示されている。

@Geert Mul

<滞在の様子>