コラム

    ワークショップ「扉を立てる」を振り返って

    「見慣れた風景の向こう側を想うワークショップ」 ノンクロンで開催された『ここにある – 記憶と忘却、または表裏』展にて展示されていた、ミャンマーの作家マウン・デイの作品<疑いの象徴> ホーチミンの街中の様々な(時には政治的に象徴的な)場所を扉を持った人が歩き回る姿を通して、その場所が持っている / 想起される物語の裏側に想いを馳せるような、とても興味深い作品。

    “観光地として象徴的な名所にあふれるここ白浜でも、マウン・デイのように、その光景に「疑い」を投げかけることは可能なのではないでしょうか?”

    と言うテーマをもとに、5/26(日)実際に扉を立て、当たり前に見慣れてしまった風景をそれぞれの視点から今一度見つめ直すワークショップを行いました。

    参加者の皆様は、当日ノンクロンに集合し「扉を立ててみたいスポット」や、その時に浮かんだスポットを話し合いながら巡り、扉を立てました。

    まず初めに、白浜の出入り口となる白浜駅前に扉をたてました。最近は観光客の方々沢山いらっしゃるので、実際に観光客の方々にも扉を通り抜けたりしてもらいました。

    2箇所目は、白浜の桟橋に扉を立てました。普段見慣れている海でも扉があるだけで異世界な雰囲気が感じられました。

    3箇所目は、江津良に扉を立てました。桟橋と少し共通する部分はありますが、テトラポットと扉でまた新たな発見ができたのではないかと思います。スキューバーダイビング後の方々がちょうどいらっしゃったので、扉を通っていただきました。

    最後に、白浜といえばの白良浜に扉を立てました。真っ白な砂浜と澄み渡った青い空に、ポツンと扉が立てられた瞬間、今までの白良浜とはまた違う白良浜の顔が見えたのではないかと思います。

    今回のワークショップでは、いつものように見慣れている風景でもひとつ違うものがあるだけで、見方が変わり新たな捉え方ができたのではないかと実感できました。 改めて、今回実際にマウン・デイの作品を肌で感じて、作品の中に入ったようにアートを感じられたのではないかと思います。