コラム
「紀南の港」として
紀南アートウィーク対談企画 #40
〈今回のゲスト〉
株式会社南紀白浜エアポート誘客・地域活性化室室長
森重 良太さん
南紀白浜エアポートの経営コンセプトは「空港型地方創生」。空港を起点とした地域活性化まで行う空港会社として、地方創生の専門部署である誘客・地域活性化室でエアライン誘致、地域連携、着地型旅行事業(紀伊トラベル)を統括されています。紀南12市町村と広域連携する観光庁認定の観光地域づくり法人「紀伊半島地域連携DMO」の事務局長・最高マーケティング責任者としても紀南全域での地域活性化に取り組まれています。
〈聞き手〉
藪本 雄登
紀南アートウィーク実行委員長
「紀南の港」として
目次
1.森重さんの紹介
2.南紀白浜空港の歴史と民営化へのチャレンジ
3.南紀白浜エアポートの取り組み
4.空港を民営化して
5.ワープ感覚で世界と繋がれる玄関口
6.非言語のアートを全世界に
7.紀南の多様性
1. 森重さんの紹介
藪本:
本日はお時間をいただきありがとうございます。
今回は、空港でのキュレーションに際して、地方空港の役割や、南紀白浜エアポートさんがどんなことを考えていらっしゃるかをご紹介できる場になればいいと思います。まず、森重さんの自己紹介やバックグラウンドをお伺いできますでしょうか。
森重さん:
おとめ座のA型です(笑)。
出身は福岡です。東京の大学を卒業し、新卒では大手電機メーカーに就職しました。戦略スタッフとして事業戦略の策定や中期計画の立案、グループ会社の再生、社内のM&Aなどの経営企画業務に携わっていました。より個人としての事業再生のスキル、企業経営の知見を深めたい。そういう思いから、ダイエーやカネボウなどを再生させた経営プロ集団である産業再生機構が出身母体であるIGPI(経営共創基盤)に転職。経営プロフェッショナルとして、2年ぐらいは民間企業の事業戦略の策定や新規事業の立ち上げ、M&Aの実行支援などのプロジェクトに携わっていました。直近6年ぐらいは全国の空港民営化や地方創生に関するプロジェクトに多数携わって、白浜へは南紀白浜空港の民営化実行メンバーとして3年半前に移住してきました。
藪本:
南紀白浜空港コンセッション※1では既にメンバーに入られていたのですね?
※1:公共施設の所有権を公共機関に残したままインフラなどの運営権を民間事業者に一定期間売却すること
森重さん:
はい。南紀白浜空港全体の民営化は2019年4月からですが、ターミナルビルは先行して2018年10月にスタートしています。白浜にはその1年以上前から携わっていました。
藪本:
ちょうど4年目ということですね。
森重さん:
はい。私自身はこれまで全国の空港民営化案件に公共側・民間側の双方の立場から多数携わってきており、南紀白浜空港へは経営実行メンバーとして来ました。
藪本:
なるほど。実際に事業経営をやっているからコンサルテーションもさらに深まる訳ですね。
森重さん:
そうですね。IGPIという会社は事業再生やリアルな経営支援(ハンズオン)をやっている会社です。明日つぶれるかもしれない会社をリアルにどう生き残って再浮上させるか。南紀白浜空港においても、プランを考えるだけではなく、人も金も知恵もすべて総動員して実現・実行までコミットするスタイルにこだわってやっています。
2. 南紀白浜空港の歴史と民営化へのチャレンジ
藪本:
1968年に開港されてから、民営化までかなり大変だったのではないでしょうか?
森重さん:
1968年に開港されて50年あまり。日本にある97箇所の空港の中でも比較的古く、長く存在している空港の1つです。
当初はまだ陸上交通においても道路や鉄道が大阪からも届いていませんでした。東京・大阪・名古屋の3拠点を結ぶ空港として誕生したと聞いています。ただ、大阪と名古屋については数年間飛んだ後に路線としては一旦休止。東京の羽田路線だけが飛んでいました。1996年、もともとあった滑走路の隣に新滑走路を整備し、ジェット機の受け入れが出来る空港として新しく生まれ変わりました。当時の飛行機はプロペラ機だったのです。それから福岡・広島西の路線もあったのですが数年で終わってしまい、現在も羽田路線だけが継続しているということ経緯になります
藪本:
もしかすると、ニーズがなかったのでしょうか?
森重さん:
航空会社も収益事業として路線を飛ばしていますので、撤退したということは当時は安定して儲かる路線ではなかったのではと推察しています。
藪本:
なぜここに空港ができたのでしょうか?観光的な側面が強かったのですか?
森重さん:
私も50年前のことなので詳しくは(笑)。
ただ白浜自体の開発もちょうど50年くらい前。観光地があったから出来たというより、白浜が観光地として発展していく中で空港も整備されて発展してきたのかなと思います。
恐らく、高度経済成長期のはじめで、国内のインフラをたくさん作る時代だったのだと思います。新幹線を開通させて、高速道路を広げて、各都道府県にひとつずつ空港をつくるようなことが一番全盛期の時代。逆に、50年経ってこれからの時代というのは、昔作ったインフラをどう活かし、維持していくかというような時代に変わっていると思います。今回、空港が民営化されたタイミングも、昔つくったインフラを今後どう活用、そして運営していくかという中での取り組みだと感じています。
藪本:
コンセッションは競争入札ですよね?
森重さん:
はい、地元企業と連携体制を取る形で応募して、競争入札で選んでいただきました。地元企業と一体となって空港再生をやっていく必要があると。
僕らが南紀白浜空港の民営化にチャレンジした背景のひとつに、この地域にはものすごくポテンシャルがあると感じていることがまず挙げられます。関西の方は南紀白浜をよくご存じですが、首都圏や全国においてはまだまだ認知度がそこまで高くありません。しかし、実際に和歌山に触れてみると、温泉・ビーチ・パンダや風光明媚なジオパークも素晴らしいですし、食事も美味しいですし、熊野古道や高野山といった世界で勝負できるような観光資源がたくさんある。これは伸びしろしかないと感じました。そして観光面だけでなく、ビジネス面でも大きなポテンシャルのある地域なんじゃないかなと。セールスフォース・三菱地所・NECグループなど有名企業のサテライトオフィスが進出していますし、ワーケーションの聖地として大きな可能性を秘めている。現状の南紀白浜の需要だけでみれば難しいかもしれませんが、今後の伸びしろが無限大にある、可能性に満ちあふれた地域だと考えてチャレンジを決意しました。
3. 南紀白浜空港の取り組み
藪本:
コロナのこともあり、ビジネスとして非航空収入を増やしていかなければならない流れになっていますよね。現状は航空収入の方が多いのですか?
森重さん:
空港会社の収入源としては航空収入と非航空収入と呼ばれるものがあります。航空収入としては主に飛行機が1回着陸するごとに収受する着陸料です。非航空収入としては主にターミナルビルのテナント収入など。地方空港の場合は便数が少ないので一般的には非航空収入が高くなる傾向があります。白浜空港の場合も現状においては航空収入より非航空収入の方が高い状態になっています。
藪本:
既に非航空収入の方が多いわけですね。両方必要なんだと思うのですが、今後はさらに非航空収入を増やしていく流れになるのでしょうか?
森重さん:
空港としては飛行機の発着を増やして航空収入を上げていくというのが理想ですけど、どうしても地方空港の需要だと一日何十便、何百便という需要はすぐには作れない。非航空収入でしっかり収益基盤を固めていくことは、空港経営においてはすごく重要だと考えています。
藪本:
そういう意味では今の取り組みというのはすごいですね。ペーパーレス化、クラウド化、さらには顔認証※にも取り組まれていますよね。
※参考:「南紀白浜 IoT おもてなしサービス実証」の一環として 新たに混雑度表示デジタルサイネージや 顔認証を用いた電子クーポンを導入プレスリリース
森重さん:
ペーパーレス化以外にも画像診断を滑走路の点検に使うなど、空港業務をIoTを活用して高度化して、同時にコスト縮減も目指していくような取り組みを進めています。
藪本:
それは民営化しないと絶対に出来ないですもんね。あと、みらいワークスさんとの業務提携※とか。そこも広義の意味では地域活性化のネットワークを持っているということなので、こういった取り組みをガンガンやっていかれるのですか?
※参考:みらいワークスと南紀白浜エアポート業務提携プレスリリース
森重さん:
はい。顔認証を活用したおもてなしサービスやワーケーションの公認コンシェルジュ、副業人材の活用については、地域活性化に向けた攻めのマーケティングの一環としてやっています。
例えば、顔認証おもてなしサービスについては空港だけではなく、地域の13施設と連携して地域一体となって取り組んでいます。具体的には、空港で手荷物があと何分で出てくるかの表示とか、ホテルの部屋のカギが顔で開くとか、レストラン・飲食店・観光施設での顔パスのキャッシュレス決済であったりとか、お客様が空港から地域に入って立ち寄る各施設で、その施設ならではの特別な顔パスおもてなし体験を提供し、お客様の地域内での旅行動線をしっかり意識しながら、旅行全体の圧倒的な顧客満足と地域内消費を高めていく取り組みになります。これは世界的にも最先端の地域DX事例として多くのメディア取材やビジネス視察にも繋がっており、南紀白浜の知名度アップや平日来訪需要の底上げにも大きく寄与しています。
※参考:南紀白浜「IIOTおもてなしサービス」の顔認証サービス施設が拡大プレスリリース
この地域を観光・ビジネスの両面から関西圏以外の方にも広く知ってもらい、知ってもらったあとに、この地域に来るための旅行手配が簡単に出来て、飛行機や新幹線で便利に来れて。そして地域に入った後もバス・サイクリング・タクシーなど、いろんな交通モードで移動が自由に出来て、宿泊・体験・飲食などがターゲット目線で多様なプランが用意されている。お客様にとっての旅行プロセス全体が一気通貫でどれだけ最適化が出来ているか、というマーケティング戦略に基づいて、あらゆる地域事業者と日常的に連携しながら地域づくりと磨き上げに取り組んでいます。
藪本:
Near Meさんとのシャトルサービスさんもありますもんね?
参考:JAL、南紀白浜エアポートと NearMe、南紀白浜町でシームレスな移動に向けたシャトルサービスの提供を開始プレスリリース
森重さん:
はい、二次交通の拡充は大きな地域課題の1つです。利用者の多様なニーズに合わせて新しいサービスを出していく取り組みにチャレンジしています。
藪本:
スーパーシティー的な感じですかね?
森重さん:
はい。スーパーシティーはあくまで手段だと思っていますが、スーパーシティーという構想に関わらず、地域住民の方も観光・ビジネスで地域に来られる方も、便利で心豊かな時間が過ごせる地域づくりが持続可能な形でいかにできるかが何より大事だと思っています。観光面では旅行者に特別な体験をしていただく”顔認証おもてなしサービス※”を始めていますが、将来的には教育や防災・福祉・交通などの生活サービスにも先端技術をどんどん活用していきたいと考えています。
藪本:
長期的には黒字化というのも入っているのですよね。そこまでには相当長い道のりが?
森重さん:
もともと南紀白浜空港は年間3億円ぐらいの赤字で、10年間で見ると30億円ぐらいの赤字空港です。それをどこまで下げられるか。私達はおおむね24億円ぐらいまで下げる、6億円削減を競争入札で提案して選定されています。空港の発着数が少ない中で、それだけで単体黒字化していくというのは非常にハードルが高い。しかしまだ地域のポテンシャルをすべて出し切っていないと思っています。5年10年もしくは20年かかるかも知れませんが、いつか大化けするような空港を目指していきたいですね。
藪本:
黒字化するところまで行けばそのノウハウは全地方型空港に輸出できる訳ですもんね。
森重さん:
はい。弊社としてもコスト縮減は可能な限りやっていくのですが、むしろ新しい付加価値や生産性を上げて、地域とともに稼げる新たな空港モデルの創出を目指していく。空港の発展はその地域の発展の先にしかありませんから。誘客と地域活性化の専門部署があり、地元に特化した着地型の旅行事業(紀伊トラベル)や観光地域づくり法人DMO(紀伊半島地域連携DMO)を取得したり、こんな空港は世界的にも例がないと思います。これらは全て地域を長期的・持続的に発展させるための手段ですが、そういう攻めの部分を特にしっかりやっていく。地域とともに新しい地方空港の経営モデルが作れたらと思います。
4. 空港を民営化して
藪本:
民営化されてちょうどこの4月で3年ですよね。
森重さん:
はい、3年が経ちました。
藪本:
どうですか?反響とか。
森重さん:
もともと過去10年は旅客数が年間12万人前後の規模の空港でした。それが民営化された初年(2018年)は15万人、2年目の2019年は過去最高の18万人までいきました。これはまさに地域の持っている本当のポテンシャルが引き出され始めたのだと思います。2020年も滑り出しは過去最高の旅客数でスタートして20万人を超える勢いだったんですが、コロナの影響がやはり大きく、、、、
しかしながら、他の地方空港と比べて需要の下げ幅も遅く、減便運休も最後まで免れて、緊急事態宣言が明けてから一番最初に復便を果たしました。他の空港はどこも経営状態が大変ですけれど、南紀白浜空港は一番下げ幅が小さい空港となっています。そのあたりは他の地域・空港と、我々の地域・空港の取り組みの差が少し出たのかなと感じています。
藪本:
民間の活力をいいかたちで表出されていて、きっと地元の皆様もポジティブなんじゃないですか?
森重さん:
空港が民営化されて印象が変わったと言ってくださる方は多いです。これまではテレビ和歌山や紀伊民報など地元のメディアで空港が取り上げられることはほとんどなかったのに、最近は空港の記事や特集を見る機会がとても多くなったと。そういうところでも空港が少し変わったと感じていただけているのかもしれません。
5. ワープ感覚で世界と繋がれる玄関口
藪本:
今回のテーマである「港の文化」になるんですが、未来の空港って、「港」って何なのでしょうか?
森重さん:
地方空港としては、地域の空の玄関口としての意義・役割をより果たしていきたいと思っています。人の出入りはもちろんのこと、地域の文化・歴史・情報を発信したり。逆に、国内や世界の情報を地域に取り入れるための、窓口的な機能やコンシェルジュのような役目も果たしていきたいと思っています。
藪本:
地域の歴史文化を再編集して輸出していく一つの窓口、あとは全世界の便利なもの、世界の素晴らしいものを地域向けに再編集して流入させる場所みたいなイメージでしょうか?
森重さん:
はい、まさにその通りのイメージです。空港の場合は特に鉄道や道路と比べても、経済圏・文化圏が離れている世界中とある意味ワープ感覚で繋がることができるというのは、空の港の唯一の魅力かなと思います。これまで南紀白浜・熊野は関西・中部の比較的近郊をマーケティングしていて、そういった地域の人に知ってもらうという地域でした。これからは空港が国内・世界にこの地域を知ってもらうための役割をもっと果たしていきたい。弊社は地域の将来ビジョンとして「関西の奥座敷から、日本の白浜、世界のKiiへ」というスローガンも掲げています。関西の方が遊びに来る和歌山を、日本中の方が知っている白浜に発展させて、さらには世界中の方が訪れたくなる紀伊半島にしていきたい、という思いがあります。
藪本:
もうひとつ踏み込めば、飛行機を飛ばさなくてもいいんじゃないですか?(笑)
森重さん:
基本的には人が動いてなんぼというところもあるので(笑)。
そのため、歴史・文化の発信とともに交流人口・関係人口を積極的に創出して、この地域と国内外と繋ぐ役割を空港として果たしていきたいです。
あと、空港を飛行機に乗る方のためだけの施設ではなくて、飛行機に乗らない地元の住民の方、お子様、もしくは鉄道・車で来られた方にも、南紀白浜空港が面白そうだから遊びに行こうよ、と言われるような新たな地域拠点としての場所づくりも今後はやっていきたいと思っています。
6.非言語のアートを全世界に
藪本:
空港と文化、空港とアート。空港と文化というトピックでいうと恐らく親和性は非常に高いと思うのですが?
森重さん:
地域の歴史・文化、そこで生活する人そのものがこの地域の魅力のすべてだと思っています。港の機能としては、地域を地元目線だけでなく国内・世界の目線も意識しながら魅力的に発信をしていけるようなお手伝いを出来たらと思っています。
藪本:
空港が文化を分かりやすく再編集して輸出する。今回の紀南アートウィークのテーマは輸出です。そういう意味では特にアートは言語不要で、あるがまま全世界に輸出できる可能性があるものだと思います。空港の機能とアートの機能はきわめて親和性が高い。アートだと人の移動がなくてもいきなり全世界にアクセスできます。これは非常に相性が良くて今後発展していく可能性があるのかなと。我々もそういう施策をとっていきたいですね。
森重さん:
これまで届け切れなかったこの地域の魅力を、アートを通じてより多くの人やエリアに対して発信してこの地域を知ってもらいたい。そしていつかは来ていただければ一番うれしいですね。そういう積み重ねが将来的な航空需要にもなりますし、地域の魅力を発信しながら国内外から新しい路線を誘致して、地域とともに空港としての発展も目指していきたいです。
7. 紀南の多様性
藪本:
最後に紀南アートウィークにご期待されることはありますか?
森重さん:
やっぱり紀南の歴史・文化というのは、僕もまだまだ知りえないぐらい広くて深くて魅力があると思っています。そして紀南の真の魅力は、見た目上のハード的な温泉・ビーチ・パンダや食べ物だけではなくて、そこに生きて根付いているソフト的な歴史・文化であったり、人だったりと思います。そういった目に見えない深い魅力を紀南アートウィークを通じて藪本さんはじめ、皆と一緒に改めてこの地域を掘り起こして見える形に変えて再認識したい。紀南アートウィークの地域活性化プロデューサーも拝命しておりますが、それがまさに僕の役割だと思っています。そして紀南の歴史・文化を新しい形で国内・世界へどんどん発信していく新しい場に、紀南アートウィークがなっていったら素晴らしいと思います。地元の人も地元の良さに改めて気づいて、それをアートという新しい形で国内・世界に届けたい。また、これまで届かなかった人たちにも、この地域の魅力を届けていけるような取り組みになればうれしいです。
藪本:
ありがとうございます。
森重さん:
これまでの昭和・平成の時代って、大量生産・大量消費やIT化による物的な利便性を追いかける「モノ」が中心の時代だったように感じています。一方で、令和の時代ってまだ始まったばかりですが、多様性やSDG’sといったワードに象徴されるように人の「ココロ」の豊かさを中心にとらえる時代に変わってきたと感じています。この紀南は本当に多様性やSDG’sの象徴的な唯一無二の場所だと思います。自然崇拝の原点がこの紀南にはあり、神仏習合みたいな多様性の象徴的な考え方がここにはあります。二つの宗教が合体して寺と神社が同じ敷地内に並んで、貴賤を問わず老若男女を問わず誰でも受け入れる、なんて地域は世界的にもここしか存在しないそうです。
藪本:
結果、日本人とはなんぞやという議論に行きつくと思うのですよね。そうすると紀伊から全国の地方と連結されるようなプロジェクトになっていく気がするんですよね。
森重さん:
そういう意味でもこの新しい令和の時代が始まるタイミングでこの地域を再認識するっていうのは、非常にいいタイミングだったかなと思います。
藪本:
本日はお時間をいただきありがとうございました。