コラム

対談企画 #14『熊野の価値とは?』

<今回のゲスト>

和歌山県世界遺産センター所長
山西 毅治さん
和歌山県庁の経済関連部署のトップである商工観光労働部長までご経験され、和歌山と世界を繋ぐ架け橋として、和歌山県に長期に渡り多大な貢献をされてきました。現在、その豊富な実経験と知恵を基礎に、世界遺産センター所長として高野山、熊野をはじめ「和歌山」を世界に向けて発信し、そして、未来の和歌山を担う若い世代に向けて語り継いでおられます。
https://www.sekaiisan-wakayama.jp/

<聞き手>

藪本 雄登
紀南アートウィーク実行委員長

<参加者>
下田 学
紀南アートウィーク事務局長

<編集>
紀南編集部 by TETAU
https://good.tetau.jp/

熊野の価値とは?

< 目次 >

1. 山西さんの取り組み
2. 「熊野」にある真の力
3. 観光という視点からの熊野
4. 次の世代に残すもの

1. 山西さんの取り組み

出典:山西毅治さんFacebook https://www.facebook.com/yamaniishi.takeharu

藪本:
本日は、大変お忙しいところ、お時間を頂き、誠にありがとうございます。以前、「かげろう」で有名な白浜の福菱(ふくびし)※1 の福田社長のご紹介で、和歌山県庁でご挨拶をさせて頂いてから5年ほどでしょうか。あの県庁職員らしからぬ(笑)山西さんの鮮烈なイメージが今でも忘れられません。大変不躾ですが、改めて山西さんの今までの簡単なご経歴をお伺いしてもよいでしょうか?

※1 福菱:創業1933年、株式会社福菱。「かげろう」「柚もなか」などの銘菓を生み出し続けている老舗。

山西さん:
2年前に県庁を退職し、現在は、和歌山県世界遺産センターの所長を務めています。県庁では、和歌山に工場や事務所等の企業誘致に関わる活動、また、県産品である梅、みかん、山椒、またそれぞれの加工品を、国内外に販売する仕事など、和歌山の経済活動に関する活動を色々とやってきました。

例えば、「まりひめ」という苺があります。最近はよく耳にされるかと思います。特徴としては、甘くて酸味が少なく、和歌山が誇る素晴らしい農産品です。でも、日持ちがしません。どうやって売るかですよね。そこで思いついたのが、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで展開されていた堂島ロール ※2 。ちょうど「プリンセスロール」という商品を打ち出していました。「プリンセスに【姫】をかけて、まりひめを使ってもらおう!」と、社長に苺を持って行って食べてもらい、それがうまくいったんです。これは、ほとんどの新聞で取り上げられ、大成功しました。

もう1つの事例は、山椒です。和歌山県は、ぶどう山椒の生産量が日本一です。みなさん山椒と言えば鰻を想像すると思いますが、一般的な家庭では1瓶買っても使い切るのに約3年かかるというデータがあります。それでは消費が追いつかない。そこで、カルビーさんに「山椒を使った商品を作ってください。」と売り込みに行ったんです。ちょうどその頃は、産地偽証が大きく問題になっていた時期で、日本のメーカーは産地を明確に記すようになってました。そういう背景の中、パッケージの前面に、“和歌山県産ぶどう山椒使用”の文字が入った。素晴らしいブランディングとなり、こちらも成功しました。

※2 堂島ロール:株式会社 Mon cher(モンシェール)の洋菓子。

まりひめ
出典:https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070300/marihime.html

ぶどう山椒
出典:https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070100/syokuzai/d00203691_d/fil/wakayamanosansyo.pdf

藪本:
あれっ、和歌山県庁職員ですよね?県庁の方がそんな企画立案と売り込みをかけるようなことがあり得るんですね。まさに「ビジネスマン」そのものではないでしょうか。少し驚きました。

山西さん:
はい、おりましたね(笑)。和歌山のために走り続けてきました。
今も昔も農家さんが一生懸命作っても、販売方法については困っている方が多くいます。そこで、我々が販売ルートを開拓する必要がありました。単純に商取引を促進するだけではなく、ブランディングをしないと広がらないと考えています。様々なアプローチした結果、いくつか採用してもらったということです。

藪本:
商工観光労働部で、ずっと経済や観光に関わられたということですね。

山西さん:
そうですね。その意味では、和歌山県のビジネスシーンに長い間いたことになります。冒頭指摘があったように「山西さんって、ほんとに県庁の人?」ってよく言われてました(笑)。
和歌山県は会社数が少ないので、企業誘致が大きな課題です。地産地消がうたわれていますが、私は、地産外消でなければと思っています。和歌山県外を含む域外への「輸出」が重要で、外貨を獲得していくことが大切だと思っています。その意味では、観光もその1つだと認識しています。

藪本:
今回の紀南アートウィークの主題は、まさに「輸出」ですので、共感しかありません。和歌山県地域の事業者の方々からすると、とても頼りになる存在だったのではないかと思います。なお、「熊野」の観光のあり方については、後半で議論させてください。

山西さん:
いえいえ。思いつくままにアイデアなどは共有させて頂きましたが、それを実行した事業者があっての話です。

出典:山西毅治さんFacebook https://www.facebook.com/yamaniishi.takeharu

藪本:
観光については、何年くらい県庁で携わられたのでしょうか?

山西さん:
9年間になりますね。コロナ前までは、県外、世界中から多くの方にお越し頂きました。それは、私がやってきたからという自負がありますし、今の環境でできることを尽くしています。最近では、「熊野」について外国の方向けにNHKの制作をプロデュースしました。

山西さん:
このような、「観光」促進の手法は、これまでの行政のやり方ではなく、マーケティングやブランディング等の経営手法の要素を観光に取り入れていくことだと常に考えていました
まず考えたのはマーケティング、ターゲティングです。高野山、熊野に来られていたのは高年齢の方か、白浜はファミリー層が大半でしたので、新しい客層を取り込まなければ、広がりません。データ上、旅行、観光の決定権は80%が女性と言われています。そこから考えたターゲットは、「働く女性」でした。古来から「癒し」「蘇り」「復活」や「再生」という「キーワード」がある熊野ですので、一生懸命に働いている女性に焦点を絞りました。
ターゲット設定後は、認知、つまり知ってもらうことを徹底してやりました。東京、大阪等の都会のほぼ全メディアに企画書を持って行って、提案をして回りました。特に、アパレル系の雑誌に「熊野に来れば、心身のみならず、心や精神も綺麗、豊かになります」ということを打ち出しました。外見だけではなく、内面的な重要性を推してきました。同様に、生活系の雑誌にも提案をし続けました。直接、旅の雑誌ではなく、「総合的な意味で、熊野に来れば綺麗になれる」ということを地道に訴求し続けてきました。そうやって提案をしていくと、メディアを初めとして、色々なお付き合いも始まるので、「山西さん、今回、2ページ余ったので、通常100万円のところ50万円で出稿しませんか?」みたいな話がくるんですよ。
それまでは、紙媒体の大手メディアに和歌山県が取り上げられることはほとんどありませんでしたが、少しずつ掲載されはじめ、徐々に認知が広がっていったと思います。

藪本:
んんん、、、本当に行政職員の方ですか(笑)?山西さんはある意味特殊だと思いますが、このお話を伺うと、米国のように民官のキャリアをどんどん横断していくような仕組みが必要になると感じます。まさに、山西さんは、ビジネス的な視点で、和歌山県のプロデューサー、プロモーターの機能を担われていたわけですね。ただ、確かに、和歌山県の民間企業で「和歌山県」自体を単独でプロデュースする企業は思い当たらないですね。あったとしても、「熊野」「高野山」「白浜」等といった範囲が限界かもしれません。

山西さん:
ご指摘の通り、和歌山県には、残念ながら、観光を引っ張る民間企業がおらず、行政が全てやらないとダメな状態です。例えば、京都の観光は、JR、そして京阪電鉄等があり、三重県は近鉄があります。お寺を巡るというプロモーションを打ち出すとなると、お寺との交渉は行政、PRするのは民間、ということで役割分担を決めて取り組んでいるのだと思いますし、やはり民間からの発信力がすごいんです。残念ながら、和歌山県はそれができない。だからこそ、知恵を絞って、効率的にやらざるを得なかったのです。

2. 「熊野」にある真の力

藪本:
ちなみに、「紀南」や「熊野」をどのように捉えられていますか?すごく大きな話で恐縮ですが、直感的なお話を伺いたいです。

山西さん:
「紀南」という言い方は、和歌山県民が和歌山の南部を指す言葉で、外部の人には分からないですよね。そういう意味でも、私は紀北、紀中、紀南ではなく、「和歌山」という言葉にこだわってきました。ただ、「紀南」でブランディングをやりきるなら、「紀南」でもよいと思います。
一方、「熊野」のもともとの由来は、「すみっこ」とか「奥まったところ」等といわれています。つまり、基本は人が関与しえない「神様がいるところ」ということなんです。「熊野」は由緒ある言葉ですし、奈良、三重も含まれるといった、境界がおぼろげなところも面白い地理的用語だと思います。

藪本:
かなり広い概念ですよね。私もライフワーク的に、紀南アートウィークのキュレーションのため、「熊野とアニミズム」について、調査、研究を行っていますが、「熊野」の定義は非常に難しいですが、日本人の古層がここにあるような気がしています。

山西さん:
その意味では、私がやってきたことは、まずは「和歌山」を知ってもらう、その次は「温泉」「道」「聖地」などの和歌山の観光を表現するキーワード、そして、その次にあるのが「熊野」などの地域名です。1番最初に、特に、海外を考えたときは「和歌山」でいいと思います。今では、「熊野」と言えばどこでも通用するようになり、世界的なブランドになってきています。これからは、さらに新しい「熊野」を表現し、圧倒的にブランド化を行っていく必要があると思っているところです。

藪本:
ありがとうございます。今後の戦略を考える上で、非常に参考になりました。
山西さんは、紀南地域の学校で講演を頻繁にされていると思いますが、「熊野」の魅力、価値を、どのようにお話されているのでしょうか?

※参考 「地元に誇りを持って」県世界遺産センター所長が講演/AGARA 紀伊民報記事

山西さん:
まず、「【熊野】は、世界的な評価をいただいています。これにはきちんとした裏付け ※3 があります。こうした結果を出しているのは、なぜだか分かりますか?」という流れで話をしています。

藪本:
おそらく裏付けは、ロンリープラネットやAirbnb等の評価だと思われますが、その結果の要素、原因をお伺いしたいです。なぜ、ここまで評価されるのでしょうか?

※3
・ロンリープラネット/世界的旅行ガイドブック
  Best in Travel 2021 サスティナビリティ部門 第1位「和歌山」
  Best in Travel 2018 世界の訪れるべき10の地域 第5位「紀伊半島」
・Airbnb(エアビーアンドビー)/アメリカの宿泊施設仲介会社
  世界の訪れたい観光地19選 日本で唯一選出されたのが「和歌山県」
・ガイジンポット/日本で暮らす外国籍の方の交流webサイト
  外国人が訪れるべき日本の観光地ランキング 第1位「和歌山県熊野」

出典:山西毅治さんFacebook https://www.facebook.com/yamaniishi.takeharu

山西さん:
紀伊半島は、1,400〜1,500万年前、世界最大規模のカルデラが噴火してできたものです。その噴火の名残が、色々なところにあるんです。※4 那智の滝、橋杭岩、古座川の一枚岩など、熊野の岩崖みたいなところも全てカルデラなんです。人を圧倒するような、まさに自然を神様だと考える思想や習慣が、今もなおそのまま残っています。また、台風や雨の多い地域なので、これも神の仕業だと捉えています。神様の座すところ、さらに、荒ぶる神への自然崇拝への継続性。そして、これは世界に必要な思想や習慣だと思っています。
また、その後仏教が伝来して、神仏習合(しんぶつしゅうごう)※5 という日本独特の宗教が定着してきました。「熊野」というのは、まさしく仏教を受け入れて発展してきたところでもあります。熊野古道を単に歩くことだけでも、それを感じられます。「熊野に行けば、浄土に行ける」という信仰です。
日本列島の成り立ち、自然から始まった信仰が仏教も受け入れ、今、私達が生きている。日本人にとっても、外国人にとっても、信仰心の原点を体感できる場所が「熊野」なんだと思います。このことが世界の評価につながっているのです。

※4 参考 紀南アートウィーク 対談企画 #8『熊野とアート』

※5 神仏習合:日本元来の信仰である神道と外国からやってきた仏教が、一つになったとする宗教の考え方。神道と仏教の同化を示すもので、神仏混淆(しんぶつこんこう)とも言う。

藪本:
派手な社(やしろ)を作らず、自然の石や岩、滝、それ自体を神様として祀る。古来、自然と人間は、プラス・マイナスゼロの対称な関係であり、この非対称性に溢れたこの世界に向けた、まさにオルタナティブな回答を提示している場所だと思います。これは、実は、まさに日本人の深層、古層なんだと思います。また、アニミズム ※6 信仰というものは、世界中の先住民族等にも通底している考え方なので、全世界どこでも共感される可能性があります。まさに、今、私のほうで実施している大阪船場での「水の越境者(ゾーミ)たち」展 ※7 も、アートを通じて、アジアのアニミズムを表現しています。

6 アニミズム:全てのものの中に霊魂が宿っているという考えかた。

※7 参考 「水の越境者(ゾーミ)たち」展 

山西さん:
自然に感謝をするということは、誰もが持っていることで、単純に人が生きることに関して、1番大事なことだと思うんです。それを体現するストーリー性があり、それが直感に認識できる、体感できるというのが「熊野」です。

薮本:
まさにアートですね。アートは、ある種のメディア/媒介ですので、「熊野」は、アートとしての機能を果たしてもいるんだと思います。

3. 観光という視点からの熊野

出典:熊野本宮大社HP  http://www.hongutaisha.jp/amulet/

藪本:
そのような「熊野」の普遍的な思想、哲学的な価値を全世界に輸出するということですよね。実は今私の悩みは、「観光」は「輸出」なのか、ということに疑問を持っています。コロナ時代において、人の移動は制限され、オンライン世代の特に若い人達は移動しなくなると思います。観光は衰退すると思うので、「観光を輸出産業の一部」としていくためには、どのようにすればいいのかということをずっと考えています。観光は外貨を稼ぎ続けられるのでしょうか。

山西さん:
「観光が外貨を稼ぐ」、まさに問題はそこです。今、稼ぎのメインになっているは旅館やホテル等の宿泊業です。それ以外のお土産やその他産品の売上などの現地消費は、全都道府県の中でも○○位といった状態で、そこが課題なんです。

藪本:
紀南、熊野における高付加価値商品が必要ということですね。むしろ、それを目当てにわざわざ取りに来る人がいるぐらいの、超付加価値商品が必要ではないかと思っています。そうすると、「観光」というワードが私がイメージする「輸出産業」の射程に入ってくる気がします。そのために、紀南アートウィークをやっているようなものです。
山西さんが作ってくれた基盤を基礎に、和歌山県や地方自治体が包括的なブランディングに力を入れてくれてるので、まさにここは民間企業がやるべきことですね。そこに課題を感じて、地元白浜にArtport ※8 という会社を作ってみました。まず、10年間というスパンをかけて、紀南、熊野の産品を深堀り、ブランド化し、世界に輸出することを目的にしています。

※8 参考 Artpot 価値観の自由貿易を

山西さん:
若い人に是非頑張って頂きたいですね。

下田:
山西さんは「山祝い餅」というのをご存知ですか?
聞いたところによると、熊野古道を歩いて参拝を終えた人が、宿場町の田辺に降り着いた時、帰ってきた本人自らがお餅をつき、そして、ご利益という意味で自らお餅を配る、という文化があったそうなんです。そういう徳を配るような「山祝い」の文化を整理し直してエッセンスを取り込んだら、お土産にも価値を付けれるんじゃないかと思ってるんです。

山西さん:
「山祝い餅」は知りませんが、熊野三山には「もうで餅」というのはありますよ。参拝した人が、「お参りして来たよ」「詣(もう)でて来たよ」と、お土産として配るお餅です。
もう1つ、遥か昔からあるのは、カラス文字で書かれている熊野牛王神符(くまのごおうしんぷ)※9。これは、日本の契約書の走りです。この紙の裏に「武田信玄に仕えます」など書いて、血判押すことで、神様に誓ったということになります。全国それぞれのお宮さんに同じようなものがありますが、熊野三山のものが最高峰です。昔はこれを手に入れるために、熊野に来る人もいたんです。
「熊野のお土産は何がいいですか?」と聞かれたら、この熊野牛王神符をお求めくださいと言っています。熊野の真髄として、こういうものが残っているということも広く知ってもらいたいですね。

※9 参考 熊野牛王神符(くまのごおうしんぷ)

4. 次の世代に残すもの

出典:山西毅治さんFacebook https://www.facebook.com/yamaniishi.takeharu

藪本:
先程の講義の話の続きですが、若い方や学生の方々には、他にはどのようなことを伝えられているのでしょうか。

山西さん:
そうですね。先程のメディア戦略とか、「なんとなくテレビ見てるやろうけど、それに500万円かかってるんやで。」とか、小ネタも挟みながらです(笑)。

藪本:
そういう現実的なことも話されてるんですね(笑)。

山西さん:
冗談はさておいて、とにかくグローバルな目を持ちなさいということを伝えています。「君たちはSNSという世界につながるツールを持っているんだよ」と話しています。インスタグラムの1つの記事が、観光客を呼ぶこともありますからね。若い子たちには、「和歌山って大したことない」というイメージが先行してるかもしれませんが、実際のところ世界からの評価は高いので、そこを変革する必要があります。地元の中での固定概念を捨てて、和歌山に誇りを持とう、そのためにも、地元のヒト、モノ、コトをもっと知ろう、そういう話をしています。これから頑張って進学して、和歌山から出て行っても、帰って来てね、パリで働くのも、タイで働くのもいいけど(笑)どこにいても和歌山のこと、そして和歌山県でのビジネスのこと考えてねと言ってます。

下田:
どこの地域にも言えることだと思うのですが、地域の人が地元に誇りを持てていない感じが、とてももったいないと思っています。移住促進でⅠターンの人を増やすのも大事ですが、まずはUターンの人を増やさないとと感じています。
山西さんご自身が、仕事ではなく個人的に、熊野に対してすごく興味を持ったというか、目が覚めたというような瞬間はありましたか?

山西さん:
まさしく、和歌山県外の方から「熊野ってすごい!」と言われてからですね。
特に印象的だったのは、「水がきれい」という言葉でしたね。私たちには当たり前にある水なのに、こんなに喜んでもらえるのか!と思って、“水の国、わかやま。※10”というキャンペーンにしたんです。客観的な評価を確認できるので、和歌山県外の人と話すのはとても楽しいです。

※10 参考 水の国、わかやま。

下田:
「水の国、わかやま」のプロデューサーも山西さんだったですね!!
若い子たちに、そういう機会が増えるといいですよね。本人が感動しないと気が付かないですから。

藪本:
私は地元を離れて11年になりますが、紀南がとても輝いて見えています。それは、たしかに、私自身、客観的に世界の都市や田舎を見てきたからかもしれません。
若者が帰ってきたい場所という意味では、10年、50年後、100年後、この地域ってどういう状態がベストだと考えられてますか?

山西さん:
熊野は、ある程度、世界の評価を頂いたブランド力があります。「いいところだと思っていたのに、実際に来たらがっかり。」ではダメなんですよ。今の時代、観光地や食べ物について、全ての人がナチュラルな評価を発信することができます。来てもらったお客さんに対してどうしていくかですね。新しいものを作り出すのも必要ですけど、評価に値する「現場」があるということが大切なのだと思います。

藪本:
適切な人材配置、育成を含めた「現場」ということですね。外貨、外需を稼ぐ専門人材を獲得して、適切に配置し、発展させていくことが重要ですね。

最後になりますが、何かメッセージなどありましたらお願いします。

山西さん:
私は「熊野らしさ」ということにこだわっています。1,400万年前の大地の営みから始まり、2,000年をかけて編み上げてきた独自の歴史、風土がなぜここにあるのか、これからもそこにとことん拘って、地元と世界に発信していきたいと思います。。

藪本:
本日は長時間お時間いただきまして、誠にありがとうございました。

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