コラム

    対談#38「松煙墨」が彩る未来 – 墨業界の現状と課題 –

    〈今回のゲスト〉

    墨工房紀州松煙 代表
    堀池 雅夫(ほりいけ まさお)さん
    静岡県出身。日本で唯一、墨の原料となる「松煙」を作っている墨職人。35歳のときに紀南に移住して松煙づくりを始め、後に「松煙墨」の製造・販売を行う。現在は田辺市鮎川・大塔地域に工房を構え、たった1人で墨と向き合う日々を送っている。また、墨絵画家として自分の作品を制作しており、その墨絵をオンラインショップで販売中。現在、自身の後継者がいないこともあり、紀州松煙だけではなく墨業界の衰退を危惧している。

    墨工房紀州松煙
    墨工房紀州松煙 堀池雅夫の墨画

    〈聞き手〉

    藪本 雄登
    紀南アートウィーク実行委員長

    <編集>
    紀南編集部 by TETAU
    https://good.tetau.jp/

    「松煙墨」が彩る未来 – 墨業界の現状と課題 –

    目次

    1.墨の歴史
    2.紀州松煙のルーツ
    3.「彩煙墨」の奥深さ
    4.アートの感じ方
    5.墨の文化を残すためには?
    6.墨業界の未来

    1.墨の歴史

    藪本:
    お時間を頂きまして、ありがとうございます。本日は、墨職人として実践されていることや墨づくりにかける思いなど、堀池さんのお考えを伺えればと思います。

    早速ですが、墨の歴史についてお聞きします。人が墨を使うようになったのは、いつ頃のことでしょうか?

    堀池さん:
    この世に墨が生まれたのは約2000年前、漢の時代だと言われています。その後、紀元600年頃、聖徳太子の時代に遣唐使が持ち帰ったことで、日本にも墨が伝わったそうです。当初、超高級品として扱われていた墨は、時代の変化とともに一般の人々にも使われるようになりました。戦前頃まで、墨は筆記具として活躍していたということもあり、そのおかげで、これまで数々の歴史的史料を残すことができたのではないか思います。

    藪本:
    墨はどのような材料で作られているのでしょうか?

    堀池さん:
    墨は、煤(すす)*1と膠(にかわ)*2でできています。煤はカーボン(炭素)のことで、膠という接着剤と合わせて粘土状にしたものが墨です。墨は水をはじくもの以外であれば何にでも書けますし、一度書くとなかなか消えません。それに、絵を描いたり文字を書いたりするときに、様々な色の墨を混ぜ合わせると非常に綺麗なんです。しかも、墨は物持ちが良く、10年放置しても使えます。

    私の工房では、2000年前と全く同じ製法で墨を作っています。しかし、後継ぎが誰もいませんので、将来的には、この墨づくりが消えてしまうかもしれないんです。

    *1 物が燃える際に、煙とともに出る黒い炭素の微粒子。
    煤とは(コトバンク)

    *2 動物の骨、皮、腱などから抽出したゼラチンを主成分とする物質。
    膠とは(コトバンク)

    膠(事務局撮影)

    藪本:
    以前、農業や林業、漁業に携わる方々と対談させていただきましたが、どの業界の方々も事業を維持するのが難しいと仰っていました。将来、本当に無くなってしまう可能性が高いですし、絶対に守らなければいけないと思います。

    堀池さん:
    1000年ほど前から、紀州の山の民は松の木を燃やして、墨の原料になる「松煙(しょうえん)*3」を作り続けてきました。我々の業界では、松の煤を「松煙」、松の煤で作った墨を「松煙墨(しょうえんぼく)」と呼んでいます。戦前まで松煙は「黒いダイヤ」と呼ばれており、日本国内で重宝されていたそうです。

    かつて、田辺市には大きな松煙問屋が3軒あり、山の民が持ってきた松煙を、問屋が全国の墨屋に販売していました。昔であれば、紀州の山の民はそれで生活できていましたが、今は原料を作るだけでは生きていけないんです。私は日本で唯一松煙を作っている職人ですが、先ほど話した通り、後継者は誰一人いません。未来を担う人材に墨の歴史や墨づくりの現状を伝えられないことが、とても悲しく思います。

    *3 樹脂に富んだ松などを不完全燃焼させて作った煤。
    松煙とは(コトバンク)

    出典:純松煙墨『紀州墨』(墨工房紀州松煙)

    2.紀州松煙のルーツ

    藪本:
    堀池さんが、紀州松煙を始められたきっかけをお聞きしたいと思います。元々、堀池さんは紀南の方なのですか?

    堀池さん:
    私は静岡県出身で、35歳のときまでは普通のサラリーマンだったんです。田舎暮らしをしたかったという動機で、35年前に田辺に移住しました。元々は、田辺市の文里(もり)地域に工房を建てていましたが、周辺は廃業しているお店が多かったため、状況を鑑みて田辺市鮎川の大塔地域へ移転することにしたんです。

    藪本:
    何故、今の場所を選ばれたのでしょうか?

    堀池さん:
    私が土地を探していたときに、大塔の方からご紹介いただいたんです。この場所は湿気が少なく、腐りやすい墨にとって最適の場所でした。工房のすぐ近くには綺麗な川もあり、蛍が出ることもあります。紀南には自然豊かな場所が多いので、私は紀南が大好きなんです。

    堀池さんの工房(事務局撮影)

    藪本:
    35歳のときに紀南に来られてから、ずっとこの工房で仕事をされているのですか?

    堀池さん:
    紀州松煙を始めてから2~3年ほどは、松煙を作る煤屋の仕事をしていました。しかし、このままだと生活できなくなると思い、墨を作ることにしたんですよ。何も分からない状態からなんとか墨を作ったものの、最初は全然売れませんでした。その後、試行錯誤を繰り返すうちに、紀州の松煙を活かした墨を作ることを見出し、現在に至ります。

    過去に「青い墨を作る」という仕事を受けたことがあります。実際に墨を納品すると、依頼者の方に非常に気に入っていただけました。実際、色の付いた墨は珍しかったため、黒いものよりも売りやすかったんです。

    また、ある出版社の方から「墨や万年筆を特集した本を出す」というお話を頂き、私が作っている製品が紹介されたこともあります。本が販売されると、一気にとんでもない量の墨が売れるようになったんですよ。他にも、高島屋が随時開催している「日本の伝統展」に出展させていただくなど*、様々な場所で松煙墨の魅力を発信しています。

    *参考 墨工房紀州松煙 堀池雅夫 Facebook「日本橋高島屋『日本の伝統展』」(2018年5月17日)

    藪本:
    松煙は松の木から作られているとのことですが、堀池さんは木の伐採もされるのでしょうか?

    松の木(事務局撮影)

    堀池さん:
    私には伐採技術がありませんので、油のある上質な松の木を購入しています。実際どのように墨を作っているのかは、現場を見ていただいた方が分かりやすいかもしれません。工房内を歩きながら説明しますね。

    まず、松の木を半分に割り、石油ストーブの中に入れて燃やします。1個燃えるのに5~10分ほどかかりますので、その間は木を割ることと、火の中にくべることの繰り返しですね。その後、ストーブの中に溜まった松煙を集めて、ゴミを取り除きます。そして、水に溶かした膠と一緒に型に流し込んで乾かすと、ようやく墨の完成です。ちなみに、松の木500kgで10kgの松煙が採れますが、この作業だけでも100時間近くかかります。

    松の木を燃やして松煙を採取する作業(事務局撮影)
    墨の型(事務局撮影)

    藪本:
    信じられない量の仕事をお一人で続けてこられたというのが、本当にすごいと思います。

    工房の近くにあるこちらの建物ですが、周辺には苔が広がっていて、非常に美しいです。こちらは、どのような用途で使われているのでしょうか?

    工房近くに併設された施設(事務局撮影)

    堀池さん:
    煤を作っているときはあまり目が離せませんので、以前、ここを寝泊まり用の施設として使っていたんですよ。今は、田辺市内の自宅から工房まで通っています。ちなみに、工房もこの建物も、私が業者の方と一緒に建てました。

    基本的には1人で何でもやっていて楽しいですが、やはり大変です。「価値あるもの」をもっと作ることができれば、後継者ができるかもしれませんね。墨業界を未来に残すためには、やはり、私だけの力では足りないんですよ。私のような職人だけではない色々な人の視点で、墨づくりの未来を考えていくべきだと思っています。

    3.「彩煙墨」の奥深さ

    事務局撮影

    藪本:
    先ほどのお話に出ていた「黒以外の墨」は、どのようにして作るのでしょうか?

    堀池さん:
    黒い墨は、黒い顔料*4である煤と、膠が混ざったものですね。これと同じように、赤い顔料と膠を掛け合わせると赤い墨ができます。試行錯誤を重ねたうえで、私は色の付いた墨を「彩煙墨(さいえんぼく)」として製品化しました。単色だけでもすごく綺麗なのですが、墨同士を混ぜ合わせると、もっと表現に深みが出るんですよ。しかも、乾いた墨に水をかけても、一切滲みません。だから、墨の上で重ね描きができますし、これは絵の具などには無い長所だと思います。私自身も墨絵を描いていて*、とても楽しいんですよ。

    *4 水、油、アルコールなどに不溶の有色不透明の粉末で、粉末の分散状態のままで物を着色する色料の総称。
    顔料とは(コトバンク)

    *参考 堀池雅夫 墨画(墨工房紀州松煙 堀池雅夫の墨画)

    出典:彩煙墨虹色セット(墨工房紀州松煙 堀池雅夫の墨画)

    藪本:
    絵を描き始めてからどれぐらいになるのですか?

    堀池さん:
    まだ5~6年ぐらいですね。ただ、墨の長所をお客様に分かりやすく伝える必要があり、その勉強も兼ねて、もっと前から練習はしていました。墨を使えばすごく自由に描けますし、紀南アートウィークで実施されたイベント*でも、子供たちの発想で色々な表現ができたと思います。

    *参考 紀南アートウィーク Instagram「オリジナル神様 作品展示」(2021年11月20日)

    ※11月20日、11月21日に開催済
    出典:アドベンチャーワールド × 紀南AWコラボ企画!水墨画でオリジナル神様を描こう!(紀南アートウィーク)

    藪本:
    イベントには地元の子供たちが参加しますから、地元の方が墨や墨絵に興味をもつきっかけになればと考えています。堀池さんにとって「良い墨」とは、どのようなものだと思いますか?

    事務局撮影

    堀池さん:
    書き味や滲み、色の美しさではないかと思います。以前は、黒と茶の2色だけで絵を描いていましたが、色のバリエーションが増えて表現の幅が広がりました。きっと、子供たちは黒1色でも素敵な絵を描くと思います。でも、様々な色の墨を使って描くと、もっと面白い表現ができるんですよ。まだまだ墨のことを知らない人も多いので、紀南アートウィークをきっかけに興味を持ってもらえれば嬉しいです。

    4.アートの感じ方

    出典:「大繁盛 堀池雅

    藪本:
    私自身、アート自体が経済に貢献するとは思っていませんが、現代アーティストの方々から学べることが非常に多いと考えています。そのような意味でも、紀南アートウィークを通じて、彼らの思想や哲学に触れる機会を作りたいと考えているんです。

    また、現代アーティストの作品の中には、1000万円を超えるものがあります。彼らと同じように、第一次産業、第二次産業の担い手の方々が、真鯛1kg100万円、みかん1個100万円で売ることもできると思うんです。そのような意味では、墨を1丁100万円で買ってくださる方も、全世界のどこかにいるかもしれません。

    堀池さん:
    墨の価値が上がれば、墨を作っている職人たちが生きていけるんですよ。以前、高島屋の「日本の伝統展」という企画展で、福井県の傘屋が出展していました。そのお店では様々なデザインの傘を販売しており、まさに、1本100万円の傘を売っていたんですよ。その傘を購入したお客様は「100万円の自動車を買っても自慢にならないけれど、100万円の傘なら自慢になる」と話していたそうです。藪本さんが仰る通り、きちんと価値を分かってくださる方がいると思います。

    藪本:
    まさに「何を価値として捉えるか?」ということが重要なのではないでしょうか。来年、みかんを使った企画展を実施して「何故、人間はみかんを食べるのか?」という議論をしたいと考えています。例えば、日本神話では、イザナギノミコトとイザナミノミコトの神話の中に橘の木が登場するんです*。私としては「橘の木が出てくるのは何故か?」と考えることが重要なのではないかと思っています。そのような意味では、人間が墨を使い始めた起源や思想を掘り起こせば、それに感動する人や心を動かされる人が増えるかもしれません。

    *参考 松本直樹「日本の神話(2):至上神アマテラスの消滅と再生」(2019年9月3日、nippon.com)

    堀池さん:
    まさに、アーティストの力の見せ所だと思います。ただ、彼らは自身の思想や表現力を基に作品を制作していますから、何か心を打つものがないと見向きもされない、という問題もありそうです。

    我々もよく仕事を通じて、書道家の方々にお会いします。彼らの中には、他の書を真似て練習しているうちに「何もかも真似なければいけない」と思い込む方もいるそうです。その一方で、歴史に名を残すような書道家もいて、作品を見た人が「この作品の前に立ったら震えた」と感じることもあるように思います。私はそのような感覚になったことがありませんが、敏感で繊細な人であれば、アートを見て心が動かされるのでしょうね。「アートに感動する」という感覚を養うという意味でも、歴史や文化に関する知識など、作品を鑑賞する側の素養も必要なのかもしれません。

    5.墨の文化を残すためには?

    出典:紀州松煙の墨(墨工房紀州松煙)

    藪本:
    これまでお話を伺ってきて、改めて、墨は「残すこと」に長けた筆記具だと感じました。こんなにも撥水性に優れていて、しかも奥深い表現ができるツールは、きっと他に無いと思います。

    堀池さん:
    万年筆やボールペンで書いたものは100年ほどで消えてしまう一方で、墨で書いたものは1000年以上も残っているんです。墨にはこんなにも長い歴史があるのに、今の子供たちは墨汁を使うことも多く、触れる機会が減ってしまっているように思います。

    藪本:
    何故、使われなくなってしまったのでしょうか?やはり、便利なものを使い過ぎているから?

    堀池さん:
    それもあるかもしれませんが、やはり「毛筆を使わなくなったから」という理由が大きいと思います。毛筆では必然的に墨を使いますが、今ではボールペンを使う人ばかりです。このように触れる機会がめっきり減ってしまいましたが、日本人の素養として書道や水墨画を知っておくというのは、きっと、将来役に立つと思います。

    藪本:
    私は、森田子龍(もりたしりゅう)*という書家がすごく好きなんです。私の中で、森田子龍は「閉じながら開いていく、開きながら閉じていく」という世界を描いているのではないかと思っています。この世界観はまさに、紀南アートウィークの趣旨通りなんです。

    また、書は「華美なものを廃して本質だけを求められる世界観」を表現するものだと思っています。きっと、今の時代にはこのような考え方が必要だと思いますし、そのような意味では、もう一度、墨の時代がやってくるのではないでしょうか。

    *参考 森田子龍(豊岡市バーチャル美術館)

    堀池さん:
    これからの子供たちは、もっと外国が身近になるはずです。そのような意味でも、今後、日本の歴史や文化を学ぶ時間が増えればと思います。こういった教養を身につけている人は、きっと尊敬されるのではないでしょうか。ただ、日本人は忙しすぎて学ぶ時間が減っていますし、あるいは、昔から大事にしてきた歴史や文化を蔑ろにする人も増えているような気がします。非常にもったいないですね。

    藪本:
    そのような状況下でも、紀州の山々が今も残っているのは本当にすごいと思います。林業や炭焼きに携わる方々との対談を振り返ってみても、やはり、紀州の山の民は「山と人間との関係性」を深く考えていました。その一方で、漁業では「漁場と人間との関係性」を掘り下げている方は、ほとんどいなかったんです。恐らく「自然に対する人間のあり方」を考え続けなければ、産業自体が無くなってしまうような気がします。

    堀池さん:
    産業を残すという意味では、職人たちは「ものづくり」以上のことをしなければいけないのかもしれません。例えば、漁師が料理店を開いて自分で獲った魚を振る舞えば、「漁師が作った料理」に心惹かれるお客様が増えると思います。

    ただ、職人でありながら販売もするとなると、非常に難しいです。我々、墨職人が営業トークをすると「墨づくりに対するこだわり」を中心に話してしまいます。ところが、お客様は「この墨が何の役に立つのか?」とか「他の墨と何が違うのか?」と考えることが多いんですよ。つまり、お客様が「買いたい」と思えるような理由を説明できないと、全く売れません。そのようなことを意識して売っていけば、最終的には、産業そのものを未来に残すことに繋がるような気がしますね。

    6.墨業界の未来

    藪本:
    現在、堀池さんは日本で唯一松煙を作られている墨職人であり、まさに「最後の砦」だと思います。弟子はとられないのでしょうか?

    堀池さん:
    この業界はやはり食べていけませんので、弟子をとるのも難しいですね。我々がどれだけ良い墨を作ったとしても、買ってもらえなければ一銭も入りません。私の作った墨には1万円を超えるものがあります。こういった商品について「どうすれば購入してもらえるか?」というところまで考えなければいけないんですよ。これまでであれば、職人が作ったものをお客様に届けるのは、問屋や小売店の方々の仕事でした。しかし、今後はどうなるか分かりませんので、非常に悩ましいところです。

    藪本:
    そのような意味では、墨づくりにおいて一番大事なのは「墨の価値を見出すこと」だと思います。堀池さんが作る墨には、どのような価値があると思いますか?

    堀池さん:
    紀南で作っているということもあって、やはり「松煙を使っていること」が一番の価値ですね。また、私は彩煙墨も作っていますから、絵描きの方々に使っていただければ、より幅広い表現ができるのではないかと思っています。自分が使い慣れた道具を変えない方も多いですが、私としては、色々な道具を使って描く方が楽しいような気がします。他にも、書道家の方々、あるいは、子供たちが楽しみながら墨を使ってくれれば、きっと面白い作品ができると思うんですよ。そのような意味でも、私のような墨職人が製品をアピールするのではなく、墨を使う人たちがその魅力を発信する方がいいと思っています。

    事務局撮影

    藪本:
    10年後、30年後、50年後の未来で、墨業界、あるいは、紀州松煙さんはどのような姿になっていると思いますか?

    堀池さん:
    正直なところ、紀州松煙は私の代で終わってしまうかもしれません。ただ、生涯現役として、私はこれからも頑張っていきたいと思っています。墨業界を守るためには「墨を売ること」ではなく「墨の良さを伝えること」を第一に考えるべきですし、今後もこの考えを貫いていきたいですね。

    やはり、墨は日本の歴史を伝えてきた筆記具ですから、どう見ても「良いもの」なんですよ。そうでなければ、とっくに淘汰されていると思います。絵の具など西洋から伝来したものの中でも、墨の良さを凌ぐものはありません。そのような意味でも、墨そのものはもちろん、墨づくりという文化を未来に伝えるべきだと、改めて思います。

    藪本:
    まずは、紀南アートウィークで実施するイベントを通じて、地元の方々に墨を知ってもらう機会を作りたいと考えています。墨業界や紀州松煙さんの功績を未来に残すために、少しでもお手伝いができれば嬉しいです。

    大変勉強になりました。本日はお時間を頂きまして、ありがとうございました。

    堀池さん:
    ありがとうございました。

    対談#36 伝統を守り、未来へ繋ぐ – 林業と農業のあり方 –