KINAN ART WEEK 2021(紀南アートウィーク2021)

@和歌山県紀南地域

story

恵みの雨が育てる深い山々の緑。
神武天皇が歩み、道は拓け
空海が高野山を開き、そこは巡礼地となった。

豊かな自然が育む海幸山幸は、
富田の港より日本各地へもたらされた。

熊野や牟婁と名付けられたこの土地では神々は籠り、
人々はあの世とこの世を行き来すると言われていた。

古来より、紀南には神の御室の元で
人や物が行き交い、
思想や情報が交差する場所でもあった。

そこで交わる人々の心や潜在意識は、
それぞれが異なる文化や背景を持ちながらも、
相通ずるものがある。

紀南アートウィークでは、アートを通じて
この場所で交差する出来事、人々、思いを、
ここでしか経験することができない
かけがえのないものとする。

内と外、過去と現在、人と自然、そして紀南/牟婁と世界。
ここにありながら、どこか他の場所にもつながっている。
神々の御室に生じる新たな出会いは、
私たちに一体何をもたらしてくれるのか。

Photo by Visit Wakayama

about

KINAN ART WEEK 2021

@和歌山県紀南地域

今後、作品設置場所については逐次アップデート予定

入場料無料

籠りの文化港の文化

和歌山県紀南地域が所在する牟婁郡の「牟婁」という地名には「籠もる」「隠る」「神々の室」という由来があり、豊かな山林資源の中に籠り、内面的な世界を探求することに秀でた歴史的な特色を有しています。高野山の信仰や熊野古道の宗教観は、社会的地位や、信仰、性別等を問わない日本における寛容性と多様性の源泉であり、南方熊楠や長沢芦雪といった奇想天外な人物を輩出し、魅了してきた歴史があります。

その一方、本州最南端の半島である紀南地域は、「開放性」を特色として、かつて黒潮ともに移民文化を醸成してきました。長い海岸線と良質な木材は、古代から高い造船技術を発達させ、物資輸送や水軍の拠点として、歴史上大きな役割を果たしています。堺で最初に利用された船は紀州富田の船であり、かつて富田浦は「港」としての起点を担い、経済文化の中心地でもありました。しかし、現在は残念ながら、牟婁の由来や過去に繁栄した港の存在は忘れ去られているため、本活動を通じて私たちは、その歴史的・文化的資産を現代に蘇らせたいと考えています。

message

藪本 雄登

総合プロデューサー藪本 雄登

紀南から飛び出して15年が立ちました。22歳のときに、カンボジアで法律事務所を創業して以来、約10年の月日が流れました。世界18か国で事務所を展開しながら、アジア地域や世界における近代化や都市化等の影響により、そこに本来存在していたよいコト、モノや価値観が消滅していく状態を目にしてきました。和歌山県紀南地域というアジアの田舎を出身とする私個人として、「その土地にしかない、そこにしかない価値(アウラ)」を維持し、さらに発展させることが世界の安定や平和に繋がるのではないかと考えています。

今回、紀南地域/牟婁郡独自の「籠りの文化」「港の文化」に着目し、その歴史的価値を再発見し、現代において、新しい価値として提示したいと思っています。グローバリゼーションとローカリゼーションは、対立/分断された概念だと思われていますが、私の考えは、本質的には同じ根っこではないかということです。

その仮説を体現するために、今回、紀南アートウィークでは、南紀白浜エアポートや各分野/地域専門家とパートナーシップを締結し、現地の歴史文化を十分に研究した上、全世界で活躍するトップ現代アーティスト達と作品を招聘します。「あちゃらもん(紀南弁で「よそ者」の意味)」の現代アートに普遍的な共通点を見出してもらうような工夫を凝らし、持続可能な紀南地域/牟婁郡地域の文化振興、文化教育、一次産業や二次産業の産業経済振興、観光振興等に貢献するとともに、ひいては、紀南地域自体が歴史文化やアートにも貢献できるような活動としていきたいと考えています。

「籠もる牟婁 ひらく紀南」

2021年1月

藪本 雄登

member

宮津 大輔

アーティスティック・ディレクター宮津 大輔

1963年東京都生まれ。明治学院大学経済学部商学科卒業。京都造形芸術大学大学院芸術研究科修士課程修了。現在は、横浜美術大学学長、森美術館理事等の要職を務める。主な研究領域はアートと経済を中心とした社会との関係性。世界的な現代アート作品のコレクターとしても知られる。一般企業に勤めながら、収集した400点超のコレクションや、アーティストと共同で建設した自宅は国内外で広く紹介されている。また、美術品の修復保存に関する造詣も深い。

文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会議」、「羽田オリンピック・パラリンピック レガシー推進タスクフォース」の委員や「Asian Art Award 2017」「ART FUTURE PRIZE・亞州新星奬2019」の審査員などを歴任。NHK総合テレビ「クローズアップ現代+」「NHKニュース おはよう日本」からバラエティ番組までメディアでも広く活躍する一方で、国内はもとよりアジア各国での講演多数。主な著書に「新型コロナはアートをどう変えるか」「アート×テクノロジーの時代」などがある。

森重 良太

地域活性化プロデューサー森重 良太

和歌山県の県営空港であった南紀白浜空港は 2019 年 4 月より⺠営化されております。和歌山県南部の紀南地域の空の玄関口として、人々が往来する空の交通拠点としてだけではなく、空港という特徴を活かし、世界(グローバル)と地域(ローカル)地域を繋ぎ、紀南の自然、文化、歴史を含めて、新たな交流と関係を創出する場としたいと考えています。

今回、紀南アートウィークを通じて、日本における自然崇拝の原点と言われる豊潤な文化、歴史を有する紀南地域の魅力を再定義することで、さらなる心の豊かさと地域の活性化に貢献していきたいと考えています。

大手電機メーカーでの勤務後、経営共創基盤(IGPI)で官⺠双方の立場から全国の空港⺠営化や地域活性化プロジェクトに多数携わる。現在は、南紀白浜エアポートの誘客・地域活性化室⻑として、空港型地方創生に向けたエアライン誘致・地域連携・着地型旅行業を統括している。観光・ビジネスの両面から、インバウンド誘致・ワーケーション推進・IoT 企業誘致などの誘客の仕組化と、地域の受入体制拡充・先端実証実験推進・人材育成などの活性化に取り組む。紀伊半島地域連携DMO事務局⻑ 兼 マーケティング・財務最高責任者。