コラム
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ワークショップ『いちどためしてみてごらん / 歩きながら識る、交流する』 レポート
私たちは同じものを見ているようで、それぞれ見ているものは違う。感じ方も違う。個人の記憶や経験がさまざまに作用し、同じ出来事を別のものとして捉えていることがある。ふと人々が分かり合えない孤独を抱えているような気持ちにもなるが、そんなことはなくて、だからこそ世界は人の数だけ豊かであるとも言える。のっけからまどろっこしいことを書いて恐縮だが、これは紀南アートウィーク2023で行われた廣瀬智央のワークショップを記録映像で振り返ったときに頭によぎった感想だ。木造の旧小学校の元家庭科室に
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ワークショップ「インドのスパイス、ベトナムのハーブ、和歌山のみかんでチャイをつくろう!」を振り返って
企画・インストラクター:ラワンチャイクン 茉莉 (大阪大学文学部4年)昨年夏より、インドのスパイスと日本各地の茶葉・素材を掛け合わせたチャイ製品と、その製造過程、生産者へのインタビュー、さらに土地の歴史や風土などをおさめた映像作品を制作するアート・ビジネス複合型プロジェクトを始動させました。それは、私のルーツである日本とインドそれぞれに眼差しを向ける初の個人的な試みであり、また同時に、芸術文化を通して両国の橋渡し的な存在になるという壮大な夢を実現させていく手段でもあります。現
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紀南アート・レジデンスvol.1 マミが切り取った紀南
今回の第一回紀南アート・レジデンスでは、ベトナム人アーティストのトゥアン・マミをお招きし「移民」と「柑橘」の関係について現代アートという視点からリサーチを依頼しました。以下、その際にチェキで撮影した写真です。マミには、今後さらに調査を継続してもらい「移民」と「柑橘」について深く思考を巡らせてもらう予定です。紀南アート・レジデンスは、国内外からアーティストを招聘し、紀南地域に滞在してもらう中で、地域の様々な文化や歴史などについてのリサーチを行い、そこから触発された作品制作等を行
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廣瀬智央 みかんの苗木の旅
HIROSE Satoshi: A Journey of Citrus Sapling「コモンズ農園」プロジェクトは、紀南アートウイークのプロジェクト「みかんコレクティヴ」のひとつであり、長い期間を通して行われるアートプロジェクトとして2022年に始動しました。「みかんコレクティヴ」は、地域の特産物でもあるみかんなどの柑橘類に注目し、農産物として「みかん」を捉えるのではなく、「みかん」を通しての農業、歴史、食、まちづくり、景観、教育、地域の連携、アートなど、いろんな側面を語れ
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アートラボ2023第Ⅲ期 廣瀬智央 みかんの旅 (長野県立美術館)
昨年、紀南で始まった廣瀬智央さんのアートプロジェクト「コモンズ農園」のスタートとして展示された作品「みかんコレクティヴ」が現在、「みかんの旅」と題して長野県立美術館に展示されています!紀南の多種多様なみかんジュースや柑橘農家さんのインタビュー映像、また摘果みかんを練り込んだ「みかんの紙」などがインスタレーションとして展示されています。また紀南の農家さんが普段使われているコンテナも展示の一部としてご観覧いただけます。みかんをテーマに感覚的な豊かさの再発見や、新たな価値観を創出し
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アートラボ2023第Ⅲ期 廣瀬智央 みかんの旅 アーティストトーク
長野県立美術館で開催されている アートラボ2023 第Ⅲ期廣瀬智央 みかんの旅の関連イベントとして、作家に縁の深いゲストをお招きし、廣瀬が紀南地域(和歌山)で進めるアート・プロジェクトや感覚と鑑賞をテーマにしたトークイベントを開催します。■ 開催情報日時:2023年11月26日(日) 14:00~15:30(開場13:30)登壇者:金井 直(信州大学人文学部 教授)、廣瀬智央(アートラボ出品作家)会場:長野県立美術館 本館1階 交流スペース定員:30名程度(申込不要、当日先着
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感覚をテーマにした「みかんかく」を10/14〜10/22 、紀南エリアで開催!
2023年の紀南アートウィークのタイトルは、「みかんかく」です。「みかんかく」は、みかん(蜜柑、未完…)+かんかく(感覚、間隔…)をかけ合わせた言葉で、人間のもつ多様な感覚、特に視覚以外の感覚をじっくりと紐解いていきます。人間が得る情報の9割は視覚情報に頼っているといわれており、アートは視覚表現が多いと考えられています。今回は作品を鑑賞する「展覧会」としてではなく、嗅覚や味覚、触覚、または時間感覚に訴えるワークショップなどを中心として開催します。それぞれの感覚を再発見すること
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紀南アート・レジデンス vol.1 開催
第一回 紀南アートレジデンスを開催します。国内外からアーティストを招聘し、紀南地域に滞在してもらう中で、地域の様々な文化や歴史などについてのリサーチを行い、そこから触発された作品制作等を行ってもらうプログラム。今後毎年1名-2名程度のアーティストの募集を行う予定です。 今回はベトナムから現代アーティストのトゥアン・マミを招聘、「移民」と「柑橘」の関係についてリサーチを依頼し、今後も継続的に調査を行う予定となっています。 <招待アーティスト> トゥアン・マミ. Tuan Mam
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未完のみかん―「みかんかく」を想像する ―
2023年10月6日紀南アートウィーク 藪本 雄登1「みかんかく」とは? 「みかんかく」は、みかん(蜜柑、未完….)+かんかく(感覚、間隔….)をかけ合わせた造語です。今回は作品を鑑賞する「展覧会」としてではなく、「みかん」を媒介にしながら、嗅覚や味覚、触覚、や時間感覚等に訴えるワークショップなどを中心に「みかんかく」展を開催します。 このきっかけを与えてくれたのは、白浜のBar 九十九のマスターです。昨年、食のワークショップにおいて「五感を感じる・・・」という表記
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アナルコ・アニミズム -まつろわぬ生命-
この度、紀南アートウィーク実行委員会は、和歌山県南紀白浜駅前の真珠ビル/ノンクロンにおいて、「アナルコ・アニミズム」展を開催します。アジアのアーティストやキュレーターらの専門家ネットワーク、プロダクション・ゾミアのキュレーションによる本展は、「アウラ現代藝術振興財団」のコレクションから、自然と人間の関係性をめぐって作品制作を続ける東南アジア出身の5組のアーティストを紹介します。この展覧会は、宮城県石巻市で開催されたリボーンアート・フェスティバル2021-2022のために企画さ
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特別トークセッション「アピチャッポンと熊野 -アニミズムの世界へ-」
タイトル:「アピチャッポンと熊野 -アニミズムの世界へ-」日時: 2022年8月5日(金)19:30〜20:30会場:オンライン参加費:無料ゲストスピーカー:石倉敏明(神話学者・芸術人類学者秋田公立美術大学准教授) 林澄蓮(アーティスト「田並劇場」企画・運営)聞き手:林憲昭(アーティスト「田並劇場」企画・運営) 藪本 雄登(「紀南アートウィーク」実行委員)【ゲストスピーカー石倉敏明さ
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特別トークセッション「アピチャッポン その魅力」
アナルコ・アニミズム展の関連記事として2022年6月5日(日)に開催した有料特別トークセッション『アピチャッポンその魅力』のテキスト& 動画アーカイブを会期中のみ期間限定で公開いたします。(2023年6月10日〜8月31日)タイトル:「アピチャッポンその魅力」日時: 2022年6月5日(日)『ブンミおじさんの森』上映会 13:00〜 講演会・座談会① 16:00~会場:田並劇場(和歌山県串本町)ゲストスピーカー:中村紀彦(映像・映画理論研究者)武井みゆき(配給会社ムヴィオラ代