コラム

  • 【アーティスト紹介 Vol.5】志村信裕

    【アーティスト紹介 Vol.5】志村信裕

    アーティスト紹介 Vol.5 志村信裕×真珠ビルのケミストリー<昔日の面影を宿すビルを彩る、万華鏡>-かつては真珠で栄えた白浜駅前の面影を、今に伝えるビル。遊技場、飲食店、土産物屋から成る元祖コンプレックスを彩る映像の万華鏡-志村信裕は、日用品などに映像を映し出す独自のインスタレーションによって、心の奥底に潜むノスタルジックな感情を呼び覚まします。また、早くから美術館のようなホワイト・キューブから脱し、屋外で数多くの作品を投影してきました。本作は色とりどりのボタンが、タイトル

  • 【アーティスト紹介 Vol.4】ホー・ツーネン

    【アーティスト紹介 Vol.4】ホー・ツーネン

    ホー・ツーネン×川久ミュージアムのケミストリー<想像の翼を広げ、見渡す宇宙>想像の翼を広げ、見渡す宇宙 狂気とも呼べるこだわりが生み出した唯一無二の場所で出会うのは、想像の翼を広げ見渡す果てなき宇宙。歴史や思想の豊かな文脈から、時に演劇的手法を取り入れた作品を制作するホー・ツーニェン。本作は、現在はナショナル・ギャラリー・シンガポールとなった旧最高裁判所を舞台に、クィーンの名曲にのせて出演者オーディションの記録をつなげ作品化しています。裁判官と容疑者の演者に多民族国家にして、

  • 【アーティスト紹介 Vol.3】山内光枝

    【アーティスト紹介 Vol.3】山内光枝

    山内光枝×田辺駅前商店街のケミストリー<熊野へ向かう玄関口で思う、豊潤な海の物語>-熊野古道への玄関口で思いを馳せるのは、扇ヶ浜や江川港の先に続く黒潮が運ぶ豊潤な海の物語-海に生きる人々の生活現場に身を置き、そこを起点に立ち現れる世界観を作品化する山内光枝。タイトルであるカブグァスとは、航海で方角を知る時に目印となる星を意味するビサヤ語(主にフィリピン中南部で使用されている言語)です。済州島の海女学校で体得した素潜り技術により撮影された本作は、あらゆるものを巻き込みながら流動

  • 光の機能と紀南の価値

    光の機能と紀南の価値

    〈今回のゲスト〉株式会社タカショーデジテック代表取締役社長フェスタ・ルーチェ実行委員会会長株式会社青山ガーデン取締役古澤 良祐(ふるさわ りょうすけ)さん愛知県名古屋市出身。2002年、株式会社タカショーに入社後、その翌年に株式会社タカショーデジテックを設立。ガーデニング用の照明器具から店舗看板、イルミネーションまで、LEDを使った製品を幅広く製造している。また、イルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」実行委員会会長として、世界各地のクリスマスや冬の文化を広く伝えるため

  • 【アーティスト紹介 Vol.2】一柳慧

    【アーティスト紹介 Vol.2】一柳慧

    一柳慧×南紀白浜空港のケミストリー<心を解放し、音の旅へ>-世界に開かれた空の港を発つ旅人には、既存の価値を疑い、偶然性を積極的に受容する姿こそが相応しい-五線譜ではなく、自由な図形などを用い書かれた「図形楽譜」は、奏でる側の解釈で一期一会の演奏となります。一柳慧は、音楽にこうした偶然性を取り入れることで、作曲家による厳密なコントロールという西洋音楽の在り方を見直しました。河合拓始の多彩な奏法を駆使した、空間性を感じさせる演奏は、私たちを斬新な音の旅へと誘うことでしょう。<一

  • 紀南の学校教育と未来

    紀南の学校教育と未来

    紀南アートウィーク対談企画#25〈ゲスト〉西田 拓大白浜町立富田中学校 教頭/ 曹洞宗如々山不動寺 住職SDGs(Sustainable Development Goals / 持続可能な開発目標)に強い関心を持っており、その本質を伝え、生徒たちの「当事者意識」を育むための取り組みを推進している。また、学校教育現場の現状にも課題を見出し、教師自身が主体的に問題解決に取り組めるような「仕組みづくり」を探求している。https://tonda-j-h-s-shirahama-to

  • 【アーティスト紹介 Vol.1】アピチャッポン・ウィーラセタクン

    【アーティスト紹介 Vol.1】アピチャッポン・ウィーラセタクン

    アピチャッポン・ウィーラセタクン×高山寺のケミストリー<積層する祈りが誘う、深遠な異界>-縄文から、聖徳太子、弘法大師そして山の精霊まで、あらゆる祈りが積層する古刹が誘う深遠な異界への扉-アピチャッポン・ウィーラセタクンは、数々の展覧会参加と併行し映画監督としても活躍。『ブンミおじさんの森』(2010年)で、第63回カンヌ国際映画祭のパルム・ドール(最高賞)を受賞しています。母の庭へのオマージュである本作は、むせかえるような緑濃いジャングルと、そこに棲むヴィクトワール・ドゥ・

  • 紀南と林業から~木の収穫とは?~

    紀南と林業から~木の収穫とは?~

    <ゲスト>迫平 隆志株式会社山長商店 経営企画室 取締役 企画部長和歌山大学卒業後、住宅専門商社へ入社。千葉県柏市で勤務し、2007年に和歌山県田辺市の林業・製材業の老舗企業、山長商店へ転職。製材工場、検査検品ライン、営業等を経て、2018年1月から現職。「木育」の活動を通して、子どもたちからその親世代にまで、木に親しんでもらうよう尽力している。https://yamacho-net.co.jp/〈聞き手〉藪本 雄登 /紀南アートウィーク実行委員長〈参加者〉杉 眞

  • 【アーティストインタビュー Vol.2】河野愛

    【アーティストインタビュー Vol.2】河野愛

    紀南アートウィークアーティストインタビュー紀南アートウィークの出展アーティストをご紹介するシリーズ「アーティストインタビュー Vol. 2」をお届けします。第二回目は、地元出身の美術作家 河野愛氏です。〈今回のゲスト〉美術作家河野 愛(かわの あい)さん1980年生まれ、滋賀県大津市出身。京都市立芸術大学大学院 美術研究科修了。2007年から10年間、広告代理店でアートディレクターとして勤務。現在は、京都芸術大学美術工芸科 染織テキスタイルコースの専任講師を務めている。近年開

  • 【アーティストインタビュー Vol.1】前田耕平

    【アーティストインタビュー Vol.1】前田耕平

    紀南アートウィークアーティストインタビュー紀南アートウィークの出展アーティストをご紹介するシリーズ「アーティストインタビュー Vol. 1」をお届けします。第一回目は、地元出身の現代アーティスト 前田耕平氏です。〈今回のゲスト〉現代アーティスト前田 耕平(まえだ こうへい)さん1991年生まれ、和歌山県田辺市出身。人や自然、物事との関係や距離に興味を向けて、自身の体験を手がかりに、映像やパフォーマンスなど様々なアプローチによる探求の旅を続けている。最近の活動には、南方熊楠の哲

  • 分解の哲学 -発酵と食を巡って-

    分解の哲学 -発酵と食を巡って-

    分解の哲学-発酵と食を巡って-紀南アートウィーク実行委員長藪本雄登1「生産すること」と「分解すること」――「『生産』力の向上」――今の時代は、『生産』力ばかりに目が向けられている。「分解(decomposition)」の作用が軽視されている世界だ。故郷・和歌山県紀南で、めっきり数が減ってしまった漁師と話す機会があった。養殖技術の発展もあり、『生産』量が増えすぎたことによる歪みを感じられずにはいられない。日本における長きに渡るデフレーションの原因の一つは、実は、『生産』システム

  • 社会福祉とアート-「竹あかり」が照らす未来-

    社会福祉とアート-「竹あかり」が照らす未来-

    紀南アートウィーク対談企画#23〈ゲスト〉谷 正義株式会社竹千代 代表取締役社長 / 和歌山県竹あかり実行委員会 代表 / 合同会社介拓社 専務介護福祉事業に携わりながら、和歌山県に「竹あかり」を広める活動を続けている。現在、障害者の就労支援・生活支援のための「キミトミライ」プロジェクトを準備中。同プロジェクトを通して、障害者と地域の人々との垣根を無くすための方法も模索している。https://take-chiyo.jp/〈聞き手〉藪本 雄登 / 紀南アートウィーク実行委員長