コラム

  • 「松煙墨」が彩る未来 – 墨業界の現状と課題 –

    「松煙墨」が彩る未来 – 墨業界の現状と課題 –

    〈ゲスト〉墨工房紀州松煙代表堀池 雅夫(ほりいけ まさお)さん静岡県出身。日本で唯一、墨の原料となる「松煙」を作っている墨職人。35歳のときに紀南に移住して松煙づくりを始め、後に「松煙墨」の製造・販売を行う。現在は田辺市鮎川・大塔地域に工房を構え、たった1人で墨と向き合う日々を送っている。また、墨絵画家として自分の作品を制作しており、その墨絵をオンラインショップで販売中。現在、自身の後継者がいないこともあり、紀州松煙だけではなく墨業界の衰退を危惧している。墨工房紀州松煙墨工房

  • < I > – 流れていくもの –

    < I > – 流れていくもの –

    河野愛 / 堀井ヒロツグ 展覧会 「< I > opportunity」について、紀南アートウィーク藪本雄登のコンセプト・ノートと解説を公開します。南紀白浜は、自然に恵まれ、魅力的な資源を多く有する観光地だ。白砂のビーチでは、熱帯魚と一緒に泳ぐことも可能で、沖合いに流れる黒潮の影響により、一年を通じ温暖な気候で知られている。また、万葉の時代から湯治場として知られており、多くの温泉宿や日帰り入浴施設が点在するヒトが集まる場所だ。南紀白浜の古賀浦(こがうら)と呼ばれる外海と内海を

  • みかん民主主義 -コレクティヴって何?-

    みかん民主主義 -コレクティヴって何?-

    1みかんは、コレクティヴか現代のアート実践では、美術史家クレア・ビショップが述べる「社会的転回(social turn)」が一定の影響力を保持し続けている。社会的転回とは、現代アートの実践において、「美的」価値から「社会的」価値への移行が進んでいる状態を意味する[1]。つまり、作品の態様や新規性より、社会や政治に対する現実的な貢献や影響を重視する潮流のことである。和歌山県紀南地域のコミュニティも、その他の地域同様、市町村合併、過疎化、インターネット社会の進展等の複合的な要因に

  • 漁業の維持を目指して

    漁業の維持を目指して

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #37〈今回のゲスト〉株式会社土佐丸取締役船団長田ノ岡 誉将(たのおか )さん田辺市江川地域に本拠地を構え、船団長として6隻の船団を率いる漁師。水中灯で魚を誘き寄せて網で取り囲む「巻き網漁業」に専従しており、主にアジ、サバ、イワシを水揚げしている。「見つけた魚は絶対に獲る」という強い意志を持つ。担い手不足や漁獲量の減少に苦しむ漁業の現状に警鐘を鳴らし、漁業を未来に残していくために尽力している。株式会社土佐丸田辺市役所企画部たなべ営業室室長熊野 雅

  • 伝統を守り、未来へ繋ぐ – 林業と農業のあり方 –

    伝統を守り、未来へ繋ぐ – 林業と農業のあり方 –

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #36〈今回のゲスト〉有限会社龍神自然食品センター代表取締役エムトゥーアール株式会社代表取締役寒川 善夫(そうがわ よしお)さん田辺市龍神地域にて林業と農業を営む、木こり兼農家。山林の管理から伐採した木々の製品化まで、自社で全て実践している。目標は「今ある山林を未来に残すこと」であり、その思いは家業を継いだ頃からずっと変わらない。また、梅やシソなどを自家栽培し、梅干しや梅酒などの梅製品を製造している。「本物の梅干しを作りたい」という信念があり、原

  • 農家はアーティスト!?若手ミカン農家のリアルな本音~

    農家はアーティスト!?若手ミカン農家のリアルな本音~

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #35〈ゲスト〉松下農園松下真之さん高校卒業後、大阪・和歌山の地元スーパー「松源」に入社し、日常の業務を行いながら社会人野球のチームで活躍。そのあと、和歌山県田辺市の上芳養にある実家、松下農園で家業を手伝っている。農園の経営をされている父親と二人三脚で、みかんや梅の畑作業を勤しんでいる若手農家。〈聞き手〉藪本 雄登紀南アートウィーク実行委員長〈参加者〉杉 眞里子紀南アートウィーク副実行委員長農家はアーティスト!?若手ミカン農家のリアルな本音~目次

  • 地域の未来をつむぐ ~アートと学び~

    地域の未来をつむぐ ~アートと学び~

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #34<ゲスト>株式会社KCR 代表取締本田景士さん和歌山県串本町出身。トルコ風カフェレストラン「紬カフェ」(白浜町)、Book&TurkishBazaar「タイヨウのカフェ」(串本町)を経営。 トルコ商品の卸小売業、土産物開発・販売業、トルコとの商品輸出入、トルコ進出・輸出入支援、などを行う。和歌山トルコ文化協会理事長として、トルコとの関係を未来に繋ぐ活動を続けている。<聞き手>藪本 雄登紀南アートウィーク実行委員長<参加者>杉 眞里子

  • みかんコレクティヴ:内なるみかん ひらくオレンジ

    みかんコレクティヴ:内なるみかん ひらくオレンジ

    2022年2月16日「みかんコレクティヴ(Orange Collective)」とは、みかんを中心としたコレクティヴです。紀南アートウィーク2024に向けて、紀南地域や全世界から生命力豊かな仲間を増やしていくための実践です。1和歌山県/紀南と橘を巡って和歌山県では、橘本神社(きつもとじんじゃ)が日本における原初の柑橘類である橘(たちばな)やみかんを祀る神社として有名です。常世の国から橘を持ち帰った田道間守(たじまもり)神話をはじめとして、橘は、日本書記、古事記の国産神話(イザ

  • 梅酒の価値とアート

    梅酒の価値とアート

    紀南アートウィーク対談企画 #33〈今回のゲスト〉株式会社濱田専務取締役株式会社濱田農園専務取締役株式会社石神邑専務取締役濱田 朝康(はまだ ともやす)さん田辺市石神地域で、梅干や梅酒の製造販売を行っている。主にアジア地域に梅酒を輸出しており、専ら目指しているのは「アジアの梅酒王」。世界に和歌山の梅酒の魅力を伝えようと奮闘しており、和歌山の果物を使った「和歌山リキュール」も開発したいと考えている。https://ume-hamada.co.jp/〈聞き手〉藪本 雄登紀南アート

  • IoTが創造する未来

    IoTが創造する未来

    ◆紀南アートウィーク対談企画 #32〈ゲスト〉株式会社ウフルCRO(主任研究員)ARTSNET創業者古城 篤(こじょう あつし)さん大分県別府市出身。2003年、CMS開発会社「ARTSNET」を創業(現在はアーティスト支援団体として活動中)。2009年、IoT事業を幅広く展開する株式会社ウフルに入社。2016年から5年間、CTO(最高技術責任者)を務めた後、今年1月からは社内に新設されたCRO(主任研究員)として、先端技術を用いた研究・事業開発に携わっている。「先端技術が世

  • 現場の実践から見る「グローバリティ」と「ローカリティ」 近づく2つの世界  (後編)

    現場の実践から見る「グローバリティ」と「ローカリティ」 近づく2つの世界 (後編)

    2021年12月15日に開催したオンラインのトークセッション『現場の実践から見る「グローバリティ」と「ローカリティ」近づく2つの世界』のテキストアーカイブ後編となります。※テキストアーカイブの前編はコチラhttps://kinan-art.jp/info/7524/【4】ローカルの価値とは何か?個々人の価値観と共感者藪本:私が考えているのは、まさに現代アーティストたちが「ローカルの価値の発信」を体現しているのではないか?ということです。彼らはマーケティングもローカライズもして

  • 現場の実践から見る「グローバリティ」と「ローカリティ」 近づく2つの世界(前編)

    現場の実践から見る「グローバリティ」と「ローカリティ」 近づく2つの世界(前編)

    2021年12月15日に開催したオンラインのトークセッション『現場の実践から見る「グローバリティ」と「ローカリティ」近づく2つの世界』のテキストアーカイブ前編となります。日時:2021年12月15日(水)19:00~20:30会場:オンライン参加費:無料登壇者:中野 宏一氏(合同会社イーストタイムズ​代表社員CEO、ローカリティ!発行人兼編集主幹)藪本 雄登(紀南アートウィーク 総合プロデューサー)<登壇者プロフィール>中野 宏一(合同会社イーストタイムズ​代表社員CEO、ロ