コラム

  • 教会の役割と紀南の未来

    教会の役割と紀南の未来

    〈今回のゲスト〉白浜バプテストキリスト教会牧師特定非営利活動法人白浜レスキューネットワーク理事長藤藪 庸一(ふじやぶ よういち)さん和歌山県白浜町出身。1999年に恩師の江見太郎氏から教会を引き継ぎ、牧師として20年以上、地域の課題解決に向けて尽力している。信条は、地域に仕えるという「献身の姿勢」を貫くこと。また、「白浜レスキューネットワーク」の理事長として、人命救済活動「いのちの電話」を中心に、保護した人たちの社会復帰支援、子供たちの基礎学力や社会性を育むための取り組みも行

  • 山に回帰する未来

    山に回帰する未来

    紀南アートウイーク対談企画#28出典:セルフ田辺SS紀洋石油株式会社ホームページより〈ゲスト〉舩渡 雄一朗紀洋石油株式会社代表取締役和歌山の田辺市で1950年に設立されたガソリンスタンド、紀洋石油の4代目社長。34歳の時に父親である3代目社長の跡を継ぎ、現在は田辺市内に3店舗、白浜町に1店舗の店を構えている。「キレイを、長く!」のカーコーティング施工に力を入れている。当時、いち早く車社会の需要を見越して、地域で最初に設立されたガソリンスタンド。創業から70年以上たち、現在は出

  • 【アーティストインタビューvol.4】志村 信裕

    【アーティストインタビューvol.4】志村 信裕

    紀南アートウィークの出展アーティストをご紹介するシリーズ「アーティストインタビュー」をお届けします。<今回のゲスト>映像アーティスト志村 信裕(しむらのぶひろ)さん1982年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学大学院映像コース修了。テーマは、「光をあてる」。触れられず、形として残らない光の特性を、最大限に生かした作品を数多く作り出している。2007年NHKデジスタ・アウォード2007インタラクティブ/インスタレーション部門グランプリ、2011年地域が選ぶ黄金町バザール賞を受賞。

  • 【キュレーションストーリー Vol.3】精霊が宿る場所・高山寺- アニミズムと南方熊楠の思想 –

    【キュレーションストーリー Vol.3】精霊が宿る場所・高山寺- アニミズムと南方熊楠の思想 –

    <今回のゲスト>高山寺住職曽我部 大剛(そがべ だいごう)さん田辺市稲成にある高山寺の20代目住職。高山寺敷地内にある豊かな森林に囲まれて育ったことから、この自然環境を未来に残していこうと奮闘している。また、今年3月までは、南方熊楠の研究機関「南方熊楠顕彰館」の館長も兼務。高山寺は熊楠の魂が眠る場所でもあることから、曽我部さんご本人も熊楠への造詣が深い。高山寺には「霊的存在が宿っている」と話し、実際に足を運んで特有の雰囲気を感じてもらえればと考えている。高山寺(KINAN A

  • 五感に優しい紀南 ーお寺と音楽ー

    五感に優しい紀南 ーお寺と音楽ー

    紀南アートウイーク対談企画#28 〈ゲスト〉 関守研悟南紀白浜 聖福寺(しょうふくじ)住職お寺をもっと身近に感じてもらえるようにと、音楽を取り入れた活動をされています。聖福寺のYoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/Shofukujiでは、心穏やかに過ごせるよう、禅宗の教え、癒しの音楽、御詠歌などを配信中。http://shofukuji.net/ 〈聞き手〉 藪本 雄登/ 紀南アートウィーク実行委員長 五感に優しい紀南 ーお寺と

  • 郷土資料の価値と紀南の未来

    郷土資料の価値と紀南の未来

    紀南アートウィーク対談企画 #27〈ゲスト〉玉田 伝一郎紀州博物館学芸員紀南地域の郷土資料を収集し、紀南の文化や歴史を地域の人々に伝えるキュレーター。子供たちにも郷土資料を親しんでもらえるよう、収集した資料を基に、映像作品や紙芝居などを制作している(一部の映像作品は、玉田さんのYouTubeチャンネルで視聴可能)。「郷土資料の大切さを未来に伝えていくこと」が今後の課題だと感じている。Denichirou Tamada(YouTube)〈聞き手〉藪本 雄登 / 紀南アートウィー

  • 【アーティスト紹介 Vol.15】 ウーチャンロン

    【アーティスト紹介 Vol.15】 ウーチャンロン

    ウーチャンロン×川久ミュージアムのケミストリー<想像の翼を広げ、見渡す宇宙>-狂気とも呼べるこだわりが生み出した唯一無二の場所で出会うのは、想像の翼を広げ見渡す果てなき宇宙-台南を拠点に活動するウーチャン・ロンは、自身の回りで起こる日々の出来事から、世界経済やエネルギー供給、エコロジー問題を想起させる作品を制作しています。本作は家業である養豚をモチーフにしながら、生命の誕生から、食肉化されるまでの記録を万華鏡のようにつなぎ合わせることで、家畜の在り方に潜む「国家の起源」や「統

  • 【アーティスト紹介 Vol.14】 磯村暖

    【アーティスト紹介 Vol.14】 磯村暖

    磯村暖×川久ミュージアムのケミストリー<想像の翼を広げ、見渡す宇宙>-狂気とも呼べるこだわりが生み出した唯一無二の場所で出会うのは、想像の翼を広げ見渡す果てなき宇宙-磯村暖は、ヴァナキュラー(ある土地に根差した固有)な事象に対し、多元的視点から人間賛歌ともいうべき作品を制作しています。日本語の「ん」は文字として一つでも、微妙に異なった発音が複数存在するように、本作は、言語の不安定で限定的な役割から想を得ています。情報伝達の中心である口について考えながらも、鼻を使い様々な音を発

  • 【アーティスト紹介 Vol.13】 前田耕平

    【アーティスト紹介 Vol.13】 前田耕平

    前田耕平×高山寺のケミストリー<積層する祈りが誘う、深遠な異界>-縄文から、聖徳太子、弘法大師そして山の精霊まで、あらゆる祈りが積層する古刹が誘う深遠な異界への扉-和歌山県・田辺市出身の前田耕平は、人や自然、事象との関係性について、自身の体験を手がかりに作品化しています。展示場所となる古刹で発見された「高山寺式土器」に着想を得て、本作は制作されました。それは、精霊から神々、そして仏のすまう山が有する祈りや時間、そして智慧の積層を可視化しているといえるでしょう。<前田耕平につい

  • 【アーティスト紹介 Vol.12】 ミン・ウォン

    【アーティスト紹介 Vol.12】 ミン・ウォン

    ミン・ウォン×真珠ビルのケミストリー<昔日の面影を宿すビルを彩る、万華鏡>-かつては真珠で栄えた白浜駅前の面影を、今に伝えるビル。遊技場、飲食店、土産物屋から成る元祖コンプレックスを彩る映像の万華鏡-古今東西の名作映画を再演することで、言語やナショナリティの問題を鋭く追究するミン・ウォン。若き日の神代辰巳らが監督を務めた1970年代成人向け映画をモチーフとする本作は、インターネット上に拡散される偽娘(ウェイニアン)や男の娘(おとこのこ)と、テクノロジーの発達により駆逐された大

  • 【アーティスト紹介 Vol.11 】 小林健太

    【アーティスト紹介 Vol.11 】 小林健太

    小林健太×真珠ビルのケミストリー<昔日の面影を宿すビルを彩る、万華鏡>-かつては真珠で栄えた白浜駅前の面影を、今に伝えるビル。遊技場、飲食店、土産物屋から成る元祖コンプレックスを彩る映像の万華鏡-敢えて写真家と名乗る小林健太は、常に「真(まこと)を写すとは何か?」という問いにより写真を捉え、様々な試みの中からその輪郭を形づくり続けています。本作は、画像処理ソフトの指先ツールを用い、絵画におけるブラッシュ・ストロークのように操ることで制作されています。それは、一見クールなデジタ

  • 【アーティスト紹介 Vol.10】河野愛

    【アーティスト紹介 Vol.10】河野愛

    <変わりゆく街で、変わらぬ人々の記憶>-穏やかな入り江、海の道標としての灯台、墓石、そして時の移ろい。人々の記憶が波のように入り混じりながら、白浜の新しい物語を紡いでいく-河野愛は、布、骨董、写真等の多様なメディアを利用し、場所や人の記憶や時間、価値の変化に関する作品を発表しています。河野の祖父は、白浜温泉老舗「ホテル古賀の井」の創業者であり、彼女は幼少期より古賀浦の入り江で夏を過ごしていました。白浜エリア数カ所に設置された本作は、当時ホテルの屋上で輝いていたネオン看板を活か